MOONBIN & SANHA、ユニットならではのストーリーを描く音楽 日本での思い出やお互いの成長についても語る
日本でも大人気の6人組K-POPボーイズグループ ASTRO。この2月に、EXILEや三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEなどが所属するLDH JAPANと、韓国の文化コンテンツ専門投資ベンチャーキャピタルのTGCKパートナーズが共同で設立した日韓エンタテインメント共同事業会社「HIAN」が、彼らの日本での活動のバックアップを表明して話題となった。そんなASTROのメンバーであるMOON BIN(ムンビン)とYOON SAN-HA(ユンサナ)によるユニット MOONBIN & SANHA (ASTRO)の2ndミニアルバム『REFUGE』が3月15日に韓国で発売。ユニットのデビュー作となった前作『IN-OUT』(2020年)以来のリリースとなる。HIANより日本限定特典付きで国内販売も行われるが、リモートでのインタビューによって、ミニアルバムのことや、ユニットならではの音楽活動について語ってもらった(坂本ゆかり)。
聴くだけでなく“魅せる音楽”への挑戦
ーー今作『REFUGE』のテーマやコンセプトを教えてください。
YOON SAN-HA:「REFUGE」という言葉には、避難所、隠れ家という意味があります。皆さんにとって、僕たちの音楽やアルバムが休める場所、安息の場になるといいな、という想いで作りました。
ーー癒しという側面は、前作から続いていると考えていいのでしょうか。
MOON BIN:そうですね。『IN-OUT』はセラピストがテーマとなっていて、不安な心が消えるように悪い記憶を取り除いてあげましたが、『REFUGE』ではそこからさらに深いところにあるトラウマを取り除いてあげることがコンセプトになっています。
ーーより深化したストーリーがあるんですね。
MOON BIN:はい。大きいテーマは“REFUGE=安息の場所”なのですが、単なる癒しの場所ではなくて、悪い記憶を消すために僕たちが悪になって悪を追い出すという、エクソシストやアンチヒーローのようなストーリーもあります。
YOON SAN-HA :CDは「THE EAST」と「THE WEST」の2バージョンあって、ビジュアルコンセプトもそれぞれ、東洋と西洋を感じさせる2つのバージョンに仕上がっています。
ーーちなみに、ふたりが“REFUGE=避難”したい苦手なものって何ですか?
MOONBIN:僕は、虫のクモが大キライ! 小さいのはいいんですけれど、大きいのは怖くて。あれが僕の顔にくっついたら……と思うと本当に怖い! あとは生臭い匂いのする食べ物が苦手です。
YOON SAN-HA :僕は暗い場所が苦手。お化けが出そうで(笑)。狭い空間で目隠しされるとすごく不安になります。だから歯医者さんで目隠しされるのもダメで、「目を隠さないでください」とお願いしているんです。克服したいんですけれど、なかなかできないんですよね……。
ーー虫とお化けが怖いって、ふたりとも、かわいいですね(笑)。
MOON BIN:でも結局のところ、一番怖いのは人間なんじゃないかな(笑)。
ーー真理ですね(笑)。タイトル曲「WHO」は、どのような曲なのでしょう?
MOON BIN:ジャンルでいうとポップダンスで、僕たちが悪い記憶を治癒するというのがテーマです。振り付けにも凝っていて、サビのパフォーマンスはかなり強烈です。そのサビには僕たちの声が入ってなくて、ビートだけで構成されています。ここが今までやってきた曲と違うところかな。聴こえる音楽というよりは、“魅せる音楽”をやりたいと思ったんです。
ーー先行公開されていた「Ghost Town」と物語がつながっているそうですね。
MOON BIN:「Ghost Town」は「WHO」の後日譚なんです。「WHO」で悪魔を退治した僕たちは使命がなくなってしまって、「Ghost Town」でちょっと空虚な気持ちになるという。敵を退治したけど、残ったのは達成感ではなかったんですよね。
二人のスタイルを調和していく面白さ
ーーそういう物語なんですね。タイトル曲「WHO」のMVとパフォーマンスの注目点を教えてください。
YOON SAN-HA :MVの見どころは、先ほど「悪い記憶を消すために僕たちが悪になって悪を追い出す」と説明した通り、僕たちがダークヒーローになっていく過程を演技で表現しました。そのストーリーを中心に観てほしいなと思います。パフォーマンスはダンスも多いし、セットも豪華なので、その調和に期待してください。
ーー前作『IN-OUT』の活動曲「Bad Idea」は衣装がセクシーでしたが、今回の活動ではどうなんでしょう?
YOON SAN-HA :今回もMOON BINさんが……!
MOON BIN:いえいえ、それほど露出度は高くないですよ(笑)。西洋だったら死神、東洋だったら韓国の伝統的な韓服がベースの衣装になっています。カッコいいですよ!
ーーユニット活動は、ASTROとはまた違った音楽ができる試みだと思うのですが、どう感じていますか。
YOON SAN-HA:僕とMOON BINさんの音楽的な嗜好って全然違うんです。僕は静かな音楽が好きで、MOON BINさんはポップスが好きで。そういう二人がアルバムで一つのスタイルを作っている部分もあれば、僕のスタイル、MOON BINさんのスタイル、それぞれを感じる部分もある。それがちゃんと調和が取れるように作っていく作業が面白かったです。
MOON BIN:僕はもともと「WHO」のようなスタイルの曲が好きなんです。作曲家さん独自の音楽を追求する過程で、新しい体験をすることができました。SAN-HAが言ったように僕たちは音楽的な好みが違うので、その違いを活かした様々な音楽をやってみたいですし、どちらかの好みに寄せたアルバムも面白そうだなと思っています。
YOON SAN-HA:「WHO」のデモをもらったとき、僕が歌ったことがないスタイルの曲だったので、すごく心配になったんです。「これ、歌えるのかな?」ってMOON BINさんに相談もしたし。そうやって苦労したけれど、やってみたら僕だけの新しい歌が歌えた気がしています。やっぱりチャレンジしてみないとダメですね。今はとても満足しています。
ーー具体的にチャレンジした部分を教えてもらえますか。ASTROでの歌い方とはだいぶ違いますよね。
YOON SAN-HA :『REFUGE』の曲は、ラップのような歌い方をする曲も多くて。「Ghost Town」も英語をいっぱい使っていたり、ラップみたいなメロディも多い。なので新しいチャレンジがたくさんありました。
MOON BIN:SAN-HAは、ノドをちょっとギュっと閉めるような歌い方をしましたね。ASTROのときにはしない歌い方です。僕もラップっぽく歌う部分が多かったので、歌い方を意識的に変えました。