八木沼悟志×南條愛乃による“第2期fripSide”ラストインタビュー 活動13年の集大成と前向きな別れの先にある道

「『only my railgun』超える売り上げを出せなかったのは最大の反省点」(八木沼)

ーーこの曲はMVも制作されましたが、非常に新鮮な内容でした。

南條:そうですね。ゲストさんがまったく出てこないMVは、10数年やってきて本当に初めてだったんじゃないですかね(笑)。リハーサルスタジオでの撮影だったので、衣装もラフな感じでというオーダーだったんですけど、そういう姿をfripSideではあまり見せたことがなかったので、観ていただく方にとっても新鮮に映るんじゃないかなと思います。

ーーこれまでのMVで慣らされてきたからか、最後まで何かを期待して観てしまいました(笑)。

2人:(笑)。

南條:前回の「Leap of faith」のMVでもドッキリがあったので、今回も何かあるんじゃないかと疑心暗鬼だったんですけど、何もなかったですね(笑)。逆に、何もないのがサプライズみたいな。

ーーツアーを一緒に回っているバンドの皆さんと最後にMV撮影したことにも、エモさを感じました。

南條:バンドの皆さんやスタッフの皆さんとひとつ形に残る映像作品を、一緒に撮ってもらえて良い記念になりましたね。

ーー先ほど八木沼さんから「写真アルバムのような作品にしたい」という話がありましたが、そういった意味ではこのMVも写真アルバムの中の1枚みたいな印象があります。

八木沼:そうですね。それもあって、本当に良いMVになったと思います。そして、MVを観てそのまま全国ツアーに向かってもらいたいですね。すごくつながるものがあると思いますので。

fripSide"endless voyage"MV(Short ver.)

ーー改めて思ったことですが、fripSideのアルバムはこれまで秋から冬にかけてのリリースが続きましたが、3月リリースはちょっと不思議な感じがします。

八木沼:そうなんですよね。でも内容といいコンセプトといい、卒業シーズンの3月に合っているなと。

南條:うん、そうですね。

八木沼:『infinite synthesis』って冬のイメージが強かったんですけど、今回は春色になった印象があるので、“第2期fripSide 南條愛乃卒業記念アルバム”というイメージを強く打ち出せて、結果的にすごく良かったです。

ーーこれから新天地に向かうリスナーさんにとっても、いつもと響き方が違う1枚になりそうですね。

南條:うんうん。

八木沼:このコロナ禍のモヤモヤとか、皆さんがいろいろ我慢していることに対しても、「もうちょっとみんなで頑張って、より良い明日になるといいな」と希望が持てるアルバムかなと。特に今回はそういう感じかもしれないですね。

南條:加えて、fripSideというユニットに対しての希望というか、今後の期待を感じるアルバムにもなったんじゃないでしょうか。

八木沼:えー、そうですか?(笑)

南條:「今後どうなっていくのかな?」という期待というか、気にはなると思いますよ、お客さん的にも。

八木沼: fripSideというか、僕のクリエイター人生、音楽家としては枯れるまでやらないと生活できなくなるので(笑)、そういう意味でも頑張りたいなと思います。

ーーfripSide結成20周年という大きな節目のタイミングにPhase2活動終了という転換期を迎えるわけですが、おふたりにとってこの約13年はどんな期間でしたか?

南條:私は20代前半あたりからやらせてもらっていたので、いろんなことを吸収できる時期でもありましたし、吸収しながらアウトプットしつつ、目標や未来に向けての希望をエネルギー源として動ける年代でもあったと思うので、この時期ですごく良かったんじゃないかなと思います。もっと若くても、今ぐらいの年齢になっていても、もしかしたら務まらなかったかもしれないし、また違った未来になっていたかもしれない。と同時に、fripSideでの活動によって得られたものが自分のソロ活動や声優の活動に影響を与えることも多々あったので、この時期に関わることができて本当に良かったなと思います。

ーー前回のアルバムインタビュー(※1)では、南條さんが「fripSideを続けて、10年経って思うのは時間は有限なんだなってこと」とおっしゃっていました。あのときは直前にあった災害を受けての言葉だったと思いますが、この1〜2年で状況が大きく変化したからこそ、この言葉の重みがより強く響いたんです。

南條:人の一生って本当に短いので、自分がやりたいと思ったことは率先してやったほうがいいんだなと、ここ最近はよく思います。先日、整体に行ったんですけど、施術を受けながら「私、もし明日死んだら住みたいと思っていたような場所にも住めないし、いつかやろうと思っていたこともやれないで終わってしまう。ヤバい!」と急に焦り出して(笑)。

八木沼:整体で?(笑)

南條:そう。癒されたがために、理性で覆いかぶせていた部分がパッと出てきてしまって。いつかと思わずに、やりたいと思ったときにやったほうが良いなと思ったんですけど、結局帰宅してから何もやっていないんですけどね(笑)。そういうことも含めて、時間や自分の人生含めて、有限だし短いなと思います。

ーー僕もこの1〜2年を経験したことで、本当にやりたいことだけをやろうと意識を改めました。

南條:日本人って忖度するというか、周りを見るじゃないですか、こういうときはこうしないといけないとか。結局それって誰かが決めたものではないし、そういう心理の中で本来生きているわけではないと思うので、やりたいことをやるのが正しいんじゃないかなと最近はすごく思います。ちょっと話がfripからずれてしまいましたけど。

ーーいえいえ。八木沼さんにとっては第1期を含めると20年の歴史になるわけですが、改めて第2期としての13年はいかがですか?

八木沼:南條愛乃という類稀なる才能を、fripSideとしてどう活かすかというところでの戦いだったのかな。音楽的には僕のスタンスというか音というものを確立できたとは思っているので、僕がそういうふうに成し得たのも彼女の歌があったからで、そこで切磋琢磨しながら歌に負けないサウンド、サウンドに負けない歌を良い循環でやらせてもらった印象がすごくあります。それをお客さんにも楽しんで聴いていただいていたんだと思いますし、この13年で経験させていただいたありとあらゆること、僕らを近くで支えてくださった皆さんを大切にしながらこの先にまた新しい音楽活動を進めていって、その合間にフラッと立ち寄って2人でまた何か一緒にやったりするのも良いと思うので、今後がすごく楽しみです。

ーー思えば第2期fripSideは最初の楽曲である「only my railgun」でひとつ形が出来上がった感がありますが、この13年はそこをいかにアップデートさせていくかという、音楽家としてはそことの対峙も重要な作業だったのかなと思います。

八木沼:「only my railgun」を超える売り上げを出せなかったのは、この13年間最大の反省点でもあると思うんですけど、曲のヒットというのは一筋縄ではいかないものがありますし、いろんな要素がいっぺんに花開くとああいうふうになるのかな。2000年代の終わりに『とある科学の超電磁砲』というアニメに僕らが出会ったことも、大きな要素ですよね。レーベルのプロデューサーにもすごく先見の明があったというか、あの作品と僕らのサウンドのマッチングを見抜いていたところはすごいなと感じます。

ーーつい先日も、テレビ番組のアニソンランキングで「only my railgun」が上位入りしていましたし。

八木沼:そもそも曲の良し悪しって主観的なものなので、なかなか難しいものではあるんですけど、僕の気持ちとしては「only my railgun」でああいう大きな成功をさせていただいたものの、その後ももっと良い曲をたくさん作れたという自負はあります。

ーー4月2日からは愛知、兵庫、埼玉を回る第2期fripSide最後のライブツアー『fripSide Phase2 Final Arena Tour 2022 -infinite synthesis: endless voyage-』もスタートします。

八木沼:楽しみですね。

南條:私は怯えています(苦笑)。現時点ではリハがまだ始まっていないので、目に見えない不安が日々大きくなっています。

八木沼:南條さん、セトリは確認しました?

南條:あ、見ました。

八木沼:結構地獄でしょ?(笑)

南條:いやあ、覚悟していたので(笑)。頑張ります!

ーー『infinite synthesis 6』の楽曲を生で聴ける貴重な機会であると同時に、これまで発表してきた楽曲を南條さんの歌で聴くことができる最後のチャンスですね。

南條:うんうん。そうですね。私もライブが始まるまでドキドキが止まらないと思うので、皆さんもドキドキしながら待っていてください(笑)。

ーー4月24日の最終公演が終わったあと、おふたりはどういう心境になっているんでしょうね?

南條:私は一旦、何もせず仰向けになる時期を設けてもらい、まったく何もしない数日間を過ごしたいです。「メールの返信しません」みたいな(笑)。

八木沼:たぶん俺も燃え尽きているんだろうな。なので、仰向けになる時間が欲しいかも。

南條:仰向けタイム、必要ですよね。

八木沼:あとは、ひと息ついたら南條さんと軽く打ち上げをしたいですね。

南條:確かにそうですね。十数年ユニットをやっていて、2人では一度もやっていないですから(笑)。

※1:https://realsound.jp/2019/10/post-438719.html

■リリース情報
『infinite synthesis 6』
2022年3月23日(水)発売
・初回限定盤(CD+Blu-ray)¥5,830(税込)
・初回限定盤(CD+DVD)¥5,830(税込)
・通常盤(CD)¥3,300(税込)

<収録曲>
・endless voyage(新曲)
・legendary future(TVアニメ『キングスレイド 意思を継ぐものたち』OPテーマ)
・worlds collide(『とある魔術の禁書目録 幻想収束』第二期オープニングテーマ)
・for seasons(WEBアニメ『Sapreas』主題歌)
を含む、全14曲収録(予定)

<初回限定盤特典> Blu-ray/DVD共通
・MUSIC VIDEO(新曲)
・MUSIC VIDEO MAKING
・fripSide Phase 2 : 10th Anniversary FINAL in YOKOHAMA ARENA(約1時間に編集した映像)
・インタビュー映像
以上、収録予定

■あにばーさる限定販売商品■【受注生産限定商品】
・fripSide / infinite synthesis 6 初回限定盤(CD+Blu-ray)
+フォトパネル・スクエアキャンバスタイプ(180x180mm)

・fripSide / infinite synthesis 6 初回限定盤(CD+DVD)
+フォトパネル・スクエアキャンバスタイプ(180x180mm)
各¥9,350(税込)
(※フォトパネルの絵柄は共通)
*限定販売商品の受注期間について
2022年1月21日(金)~2月28日(月)23:59
※上記期間内の予約を対象とした受注生産限定商品

【店舗別オリジナル特典】*CDのご予約受付は1月21日以降
★対象商品
2022年3月16日発売 fripSide / infinite synthesis 6
初回限定盤(CD+Blu-ray)GNCA-1610/税込 5,830円
初回限定盤(CD + DVD)GNCA-1611/税込 5,830円
*通常盤(GNCA-1612)は対象外

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