羊文学が今、多方面で注目を集める背景 「これがバズるぞ!」ランクインや『めざましテレビ』出演を受けて考察

 現在放送中のアニメ『平家物語』(フジテレビ系)のオープニング主題歌「光るとき」にもそのスケール感は引き継がれた。フクダヒロア(Dr)による強く足を踏みしめるようなドラミング、河西ゆりか(Ba)のなめらかに楽曲を駆動させるベースライン、そして塩塚の切なくゆらめくギターワークで構築された豊かなサウンドに負けず、歌詞やメロディも過去随一の壮大さを誇る。

羊文学「光るとき」Official Music Video (テレビアニメ「平家物語」OPテーマ)

 非情さや残酷ささえ感じる“盛者必衰の理”という『平家物語』の主題に対し、優しさをもって見つめたのがこの曲の歌詞だろう。〈いつかまた枯れた後で種になって続いてく〉と語ることで生と死の連なりと営みを表現し、〈明日へ旅立つ準備はいいかい〉と呼びかけることで作品を生きるあらゆる登場人物の未来を見守っているかのよう。そして〈最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても 今だけはここにあるよ 君のまま光ってゆけよ〉というラインには歴史/伝記作品の宿命を捉えながらも絶対的な生の肯定が刻まれている。

 そしてこの曲は800年以上前の史実を描く作品のテーマソングでありながら、今この時代、この瞬間にも紛れもない祈りとして届く。〈ならば、全てを生きてやれ〉と力強く鼓舞し、〈混沌の時代に、泥だらけの君のままで輝きを見つめていて〉と聴き手の純真へと語りかける。過去、現在、未来問わず不安定な時代を生きる誰しもが救われるような、時を超えた普遍的な祈りと言える。この曲のMVが3月1日現在までに200万回再生に差し迫ろうとしているのも、何ら不思議なことではない。

 4月20日にはメジャー2ndアルバム『our hope』のリリースが決定。『your love』=“あなたの愛“を作った翌年に『our hope』=“私たちの希望”を発表するというのが興味深い。スケールを増し続ける楽曲とともに、この2作を通して“愛と希望”を描くことに期待を寄せざるを得ない。“憎しみと絶望”を歌う楽曲を起点とする羊文学が、“愛と希望”という境地に辿り着いたとするならば、羊文学の音楽はもっと多くのリスナーの不安を包み込み、疲れた心に寄り添っていくのではないだろうか。

※1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000026876.html
出典「渋谷トレンドリサーチ/(株)アイ・エヌ・ジー」(https://www.i-n-g.co.jp/)

■リリース情報
羊文学
メジャー2ndアルバム
『our hope』
2022年4月20日ON SALE
予約はこちら:https://fcls.lnk.to/uDMwn2vV
【初回盤】(CD+Blu-ray)
¥5,000(税込)
【通常盤】(CD)
¥3,300(税込)
[CD]
・ラッキー ※ahamoX music webキャンペーンソング
・マヨイガ ※アニメ映画「岬のマヨイガ」主題歌
・光るとき ※TVアニメ「平家物語」オープニングテーマ
・ワンダー ※コニカミノルタ プラネタリウムドラマ「流れ星を待つ夜に」主題歌
を含む、全12曲収録予定

[初回生産限定盤収録Blu-ray]
「羊文学Tour 2021 "Hidden Place" at USEN STUDIO COAST 2021.9.24」
2021年9月に行われた単独公演のライブ映像をフル収録

配信リリース
「光るとき」:https://fcls.lnk.to/Hikaru_toki
「1999 (English ver.)」:https://fcls.lnk.to/1999_English

■ツアー情報
『羊文学 TOUR 2022 "OOPARTS"』
5月29日(日)宮城 仙台PIT
6月9日(木)福岡 Zepp Fukuoka
6月11日(土)大阪 Zepp Namba
6月16日(木)愛知 Zepp Nagoya
6月24日(金)北海道 Zepp Sapporo
6月27日(月)東京Zepp DiverCity(TOKYO)
一般発売:4月23日(土)10:00~

関連記事