『Your Name』インタビュー
Little Glee Monster MAYU&manakaが考える、新曲「Your Name」の新鮮さ 「3月9日」カバー、今後の活動への決意も
Little Glee Monsterが、3月2日に『Your Name』をリリースした。アニメ『ヴァニタスの手記』2クール目オープニングテーマとしてオンエア中の表題曲に加え、カップリング曲にはレミオロメン「3月9日」のカバー、そして昨年開催したツアー『Little Glee Monster Live Tour 2020→2021 >BRIGHT NEW WORLD<』ファイナル大阪公演のライブ音源を収録。アニメに寄り添った表題曲やリスナーにもチャレンジしてほしいという「3月9日」のレコーディングについて、そして先日メンバーの芹奈が長期静養を発表した中で、これからの活動について、メンバーのMAYUとmanakaにじっくりと話を聞いた。(編集部)【記事最後にプレゼント情報あり】
【オリジナル動画】Little Glee Monster MAYU&manakaが欠かせないもの
意識しなくても自然と曲と溶け合えるようになってきた
──前作「透明な世界」から引き続き、今回の新曲「Your Name」もテレビアニメ『ヴァニタスの手記(カルテ)』第2クールのオープニングテーマと、アニメのテーマソングが続きましたね。
manaka:そうですね。
MAYU:私には弟と妹がいるんですけど、みんなアニメがすごく好きで。このオープニングテーマを担当することが決まる前から、きょうだいみんなで注目していたアニメだったので、このオープニングテーマを担当できることはうれしかったです。
manaka:海外でも人気のアニメ作品ということを先に聞いていたので、いつものリトグリとは違う良さが詰まった1曲でテーマソングを担当させていただけることはすごくうれしいなと思いました。
MAYU:この間の「透明な世界」が持つ儚さとはまた違っていて、サウンド的はこのアニメの世界観に合ったあやしげな感じだけど、歌詞はちょっと文学的で、ラブソングになるのかなと私は思っていて。この切ない感じが、また新しいんじゃないかな。
manaka:うん。今までとはまた違った感じだし、細かく聴いてもらいたい曲ですね。
──ちょっとゴシックっぽさもあり、一定のトーンで進行していくアレンジですが、そうなるとボーカルで色付けしていく上で工夫も必要になるのかなと思います。
MAYU:1番と2番とでメロディがちょっと違う印象がありつつ、特に1番はアニメでも使用されている部分なんですけど、初めて声を加工していたりと、いろんな工夫が見つけられると思います。ボーカルに関しても、そこまでコーラスが付いていなくてシンプルに聴こえるんですけど、1番はわりと複雑なコーラスや字ハモをしていたりするんです。今回、メインボーカル抜きの音源がCDに収録されているので、「あ、こんなハモリをしていたんだ」というところを、個人的にはよく聴いてもらいたいですね。
manaka:ボーカルの加工も面白いですし、音的にも面白い音色がたくさん使われているんじゃないかなと思います。
──では、歌う際に注力した点やこだわったポイントは?
manaka:MAYUが歌っている、ちょっと曲調が変わるところはすごくいいなと思います。
MAYU:Dメロの〈どんな言葉より重ねた〉のあたり?
manaka:うん。すごく新鮮な感じがします。
MAYU:完成したバージョンを聴いて個人的に思ったんですが、前回の「透明な世界」ではサビで声を張るというよりは裏声やファルセットを使った優しい歌い方をしていたんですけど、今回はまた種類は違うんですけど、良い意味で気怠さが出ていて。そういう意味での力が抜けた感じが面白くもあり新鮮で、個人的にもすごく好きですね。
──リトグリって元気に歌い上げるパブリックイメージが強いと思うんですが、「透明な世界」といい「Your Name」といい大人のトーンというか、新たな側面を見せ始めていますよね。実際、そのあたりはどこまで意識的なんでしょう?
manaka:私たち自身の意識はそこまで変わってはいなくて。最近は以前のパーンと明るいものよりも音で遊んでいる楽曲が増えたので、それに対して私は……例えば「透明な世界」では無機質な感じで歌うことを心がけましたけど、「Your Name」ではいつもどおり歌って、それがこの曲の面白さとマッチしたという感覚でした。
MAYU:とはいえ、まだメンバー全員が学生だった頃にこの曲を歌っている姿は想像できないですし、自然と追いついたという言い方が合っているのかな。意識しなくても自然とその曲と溶け合えるようになってきたのかもしれませんし、それは成長とか声の変化以外にも、無理に頑張らなくても背丈が合うようになってきたのかなと思います。
──確かに、「追いついた」とか「頑張らなくても背丈が合うようになってきた」という表現が一番しっくりきますね。歌詞の解釈にしても。今の年齢だからこそ理解できることもあるでしょうし。
manaka:確かに。
──その歌詞を伝える際、今回注力したことは何かありますか?
manaka:前半は特にメンバーの息が多めの歌唱だなと客観的に聴いて思ったので、大人っぽい雰囲気に合う形で歌いつなぐように意識しました。やっぱり自分だけ主張が強かったら浮いてしまいますし、レコーディングではいつも前に歌ったメンバーのテイクを聴いてから録るので、それはすごく影響を受けて歌ってますね。
MAYU:私は特に1番では最初から最後まで、ずっと字ハモをしているんですけど、個人的にはハモリのメロディが面白かったです。難しさもあったんですけど、やっていて楽しかったし、息が多めで切なさや艶っぽさがある歌い方に私も合わせて歌ったので、今後ライブなどで歌うのが楽しみですね。
──一方、シングルにはカップリングとしてレミオロメン「3月9日」のカバーを収録。過去に音楽番組などで披露する機会のあった楽曲です。
MAYU:アカペラメドレーに入れたり、一度大阪のローカル番組で歌わせていただいたことがあるんですけど、そのときにすごく大きな反響をいただいて。「いつかCDでも聴きたいです」という声も多くて、ちょうど卒業シーズンのリリースということもあったので、今回収録することになりました。
──改めてレコーディングする際にこだわった部分は、どういったところでしょう?
manaka:もともとは男性ボーカルの曲ですが、私たちが歌うことで伝わる柔らかさや優しさもあるんじゃないかと感じていたので、そういった点は意識しました。
MAYU:曲自体はシンプルだと思うんですけど、私たちが歌うとなると優しさの中にも力強さのあるコーラスを加えたり、そういったところは注目して聴いていただきたいポイントかな。
──これまでも「Jupiter」など、リトグリのカラーがしっかり備わったカバー曲をたくさん披露してきましたが、ほかのアーティストの楽曲をリトグリらしくアレンジする際に強く意識していることは?
manaka:やっぱりコーラスワークですね。メインを歌いつなぐというのもポイントだとは思うんですけど、コーラスワークはリトグリらしさを付け加える上でもっとも大事なポイントかなと思います。
MAYU:そうだね。その上で、自分たちらしさを出しながらも原曲の良さを崩さないことも大事。特にこの曲は、シンプルに聴こえてメロディが絶妙に難しいんです。そこは忠実に再現できるようにと意識したので、そういう部分が疎かにならないように、丁寧にやらせていただきました。
──カバーって一歩間違うとコピー止まりで終わってしまうこともあると思うんです。
MAYU:確かに。そこのさじ加減は難しいですよね。
──でも、この「3月9日」はリトグリらしさに満ちた仕上がりだと思いました。卒業式で歌われる機会が多い曲なので、今後はこのリトグリバージョンで歌いたいという人たちも出てくるんじゃないでしょうか。
manaka:そうなったらうれしいですね。
──コーラスを含むリトグリバージョンで歌いた方々に向けて、歌う上で特に意識すべきポイントって何かありますか?
MAYU:サビではみんなそれぞれ字ハモをしているんですけど、最初は優しく歌って、サビで感情が溢れ出すような曲だと思うので、サビの部分はコーラスだけど遠慮せずに力を出して歌ってもいいところかなと思います。あと、間奏では“ウーアー”と歌っているんですけど、そこはちょっと抑えめで、優しく歌うとより良くなると思います。
manaka:起伏のある曲なので、序盤はしっとり歌いつつ最後はエンジンをかけて、熱量を持って歌うことがよりエモーショナルで素敵な仕上がりにつながるんじゃないかなと思います。
MAYU:なので、ぜひチャレンジしてほしいですね。