日向坂46、「約束の卵」を『テレ東音楽祭2022春』で披露した意義 歌詞に刻まれる逆境を乗り越えてきたグループの歴史
当初はアルバムデビューしたばかりで、東京ドーム公演は遠い夢物語だった。そこから冠番組『ひらがな推し』(現在は『日向坂で会いましょう』/テレビ東京)から人気を拡大し、2019年に日向坂46へと改名。横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナなどの大きなステージでのライブを次々に成功させていくことで、どんどん東京ドーム公演に現実味が帯びていく。
最初に東京ドーム公演が発表されたのが、2019年12月17日から2日間に渡って行われたライブ『ひなくり2019 ~17人のサンタクロースと空のクリスマス~』。そこで、2020年の『ひなくり』は東京ドームで行うことを発表し、泣き崩れたメンバーたち。しかし、〈ここからが一番辛いって何となく分かってる 目標だと言ってる誰もが行けるわけじゃない〉という歌詞が未来を暗示していたかのように、新型コロナウイルスの影響で東京ドーム公演が延期に。さらに卒業生や活動休止のメンバーが続くなど、グループとして苦しい時期が訪れる。
昨日の放送では、実際のライブでのアンコールと同じく、ツアーTシャツにスカートという粋なスタイルで登場。ペンライトを振りながら笑顔溢れる自然体のパフォーマンスを披露した。振り付けでもメンバーが横一列になってペンライトを掲げたり、何組かに分かれて順番に前に進み、最後に“ひ”のハンドポーズからメンバー同士でハートを作るという一連の流れは、ライブそのものの雰囲気を体現。この曲の良さは歌詞だけでなく、全メンバーに見せ場があること。フルコーラスではなかったものの、それぞれの楽しそうな表情が地上波でオンエアされたことは、ファンにとっても感無量なステージだったのではないだろうか。
また、『テレ東音楽祭2022春』放送前には、日向坂46の公式Twitterにて、本番前のメンバーが休養中の小坂菜緒をイメージさせる恐竜の手のポーズをとり、日向坂のマスコットキャラであるポカと並んだ画像をアップ。そこからは東京ドームに全員で辿り着くという意志が伝わってきた。当日が東京ドーム公演のファンクラブ先行チケットの当選発表タイミングだったこともあり、放送後のSNS上では号泣したというファンの言葉が溢れていた。
今回の放送を経て、東京ドーム公演に向けての士気がさらに高まったと言える。結成から3年かけてデビューを掴み取った日向坂46は、これまでも様々な逆境を乗り越えてきた歴史がある。この2年間の苦しく、我慢した時間が振り子のように揺れ戻り、東京ドームという特別な舞台に最高のカタルシスをもたらしてくれることだろう。
※1:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/31936