「PAINT」インタビュー

I Don’t Like Mondays.が『ワンピース』主題歌で到達した新境地 ルフィから学んだ国民的作品に立ち向かう姿勢

主題歌を作るための姿勢を『ONE PEICE』が教えてくれた

ーーそんな『Black Humor』に続いて、9月にはドラマ「それでも愛を誓いますか?」の主題歌として「音楽のように」を、12月にはオーディオブランド NUARLのタイアップ曲として「美しき世界」をリリースしました。まず「音楽のように」はI Don't Like Mondays.らしいモダンでスウィートなディスコサウンドですね。

SHUKI:「音楽のように」は今のトレンドっぽいと言うか、サウンドもメロディも、一定のグルーブをキープしながら踊り続けられる曲になるよう、意識しました。

YU:でも歌詞はドラマの脚本ありきで書いていったので、J-POPの作詞家として脱皮できたような気がします。

ーー「美しき世界」は「音楽のように」に近いテイストもありつつ、メロディと曲の展開はすごくJ-POP的です。

SHUKI:「美しき世界」は思い切ってJ-POPに接近した曲ですね。展開の早さについては、初めてボカロの曲を参考にしましたし。

ーー両曲ともタイアップソングですが、タイアップならではのスタンスはありますか?

SHUKI:僕らはもともと曲のテーマ性をあらかじめ4人で話し合って作っていくスタイルなので、タイアップ曲にも自然に取り組めるんです。どちらにしても、あらかじめある枠内でやるのか、そこを超えていくのか、そこは変わらないですね。

ーーそして今回のシングル「PAINT」は、TVアニメ『ONE PIECE』の主題歌として書き下ろした曲。まさにアニメの画が浮かぶような疾走感と力強いロックな曲調と牽引力のある歌詞が印象的であり、なおかつI Don't Like Mondays.らしい優しいサウンドスケープも光ります。

SHUKI:『ONE PIECE』のいちファンとして、その世界観をサポートすることが第一でした。とにかく『ONE PIECE』のためにやれることを出し切りたかった。エゴとして「自分たちの色を出そう」とはまったく思わなかったですね。

YU:中学生くらいから今まで読み続けている唯一の漫画で、アニメもよく観ています。そして国民的な作品であることは百も承知。だから話が決まった瞬間は、「我々の関わる意味がわからない」って、アンビリーバブルな感情が圧倒的に大きくて、少し及び腰にもなっていたんです。でも、あらためて単行本を読み、映像作品を観て思ったのは、その及び腰こそが『ONE PIECE』の世界に反しているということ。ルフィは「海賊王になりたい」という一心で、仲間たちとともに力量がわからない相手や、自分たちより強いとわかっている敵と勇敢に戦って突き進んでいるわけですから。

ーー確かに。

YU:主題歌を作るための姿勢を『ONE PEICE』が教えてくれた。混乱していて右も左も先のこともわからない時代のなかで、音楽が好きでたまらない気持ちを胸に進んでいけばきっと道は開ける。そう思えるようになってからは、迷うことなく制作できました。妙な変化球はなし。その曲が流れた瞬間、アニメとマッチしてわくわくするようなサウンドとメロディと歌詞を目指せば、僕ららしさはおのずと出てくるわけですから。

ーーI Don't Like Mondays.史上、もっともピュアな曲だと言えますね。

YU:余計なことを考えなくなったら、今度はやりたいことがどんどん溢れてきて、最初はもういろいろてんこ盛りの曲に。そこから引き算して完成しました。これで決まらなかったら仕方がないと思うところまでやれたと思います。

ーー私は、まるで麦わらの一味のように、みなさんそれぞれの個性が光っているところが好きで。例えばCHOJIさんが弾くイントロのギターは、すごくアンセミックで物語の幕開けにばっちりはまっています。

CHOJI:テンポが速いのでフレーズが細かくなると世界観が小さくなる。なので、1回耳にしたら口ずさめるような大きなフレーズを意識しました。僕はたまたまコロナ禍でアニメを観直していたところに、この話がきたんです。ちょうど僕らのキャリア的にも、ここまででみんなが話したような変化の時期だったので、ここで決めたいという気持ちはすごく強くて。仮に3年前に同じ話をもらっても、やり切れなかった気がするんですよね。「今ならやれる」、そう思っていろんな音楽を聴いてひとつひとつの音にこだわって作りました。

ーーサウンドがドリーミーで、そこはI Don't Like Mondays.ならではだと思いました。

SHUKI:戦いや勇敢な心を際立たせたいなら、サウンドはもっとラウドでエッジーにしたほうがいいような気もしつつ、そこはあえて避けましたね。と言うのも、『ONE PIECE』って年月を重ねるたびに観る人の年齢層は広がってくるし、物語そのものにも受け手の解釈にも深みが出ててくる。だから、僕らもそういういつまでも演奏できる曲を目指したいと思ったときに、僕らの中での選択は激しいサウンドではなかった。デジタルではなく生演奏にこだわったのも、シンセに人間の声を入れたのもそうで、有機的なもののほうがはまる気がしたんです。あとは単純に、僕らが共通して好きなUKや北欧のドリーミーなインディーロック色が自然と出たというものありますけど。

ーー『ONE PIECE』とともに始まるI Don't Like Mondays.の2022年。どんな年にしたいですか?

KENJI:YUの歌詞、特に〈今いる場所が 理想とは違っても 僕は僕を超えていくんだ〉という部分は僕ら全員の覚悟でもあります。そしてこの曲が誰かの支えになってくれたら本望です。

YU:僕らの曲に触れたことのある方が増えることは素直に嬉しいです。そのうえでどんどんチャレンジしていきたいですね。そして、誤解を恐れずに言うならば、次やその次の曲やアルバムをリリースしたときに、「『ONE PICE』の曲もよかったけど、今がいいよね」と言われるようになりたいです。

■リリース情報
I Don't Like Mondays.「PAINT」
TVアニメ「ONE PIECE」 主題歌
https://idlms.lnk.to/paint

■ライブ情報
I Don't Like Mondays. FRIDAY LOVERs TOUR 2022 "B SIDE" supported by Fanicon

<ファンクラブ詳細・チケット申込>
https://fanicon.net/fancommunities/3009

※サイトトップページにチケット申込URL記載

【日程・時間】
名古屋公演
日時:2022年2月12日(土) 開場17:30 / 開演18:00
会場:SPADE BOX ※スタンディング (立ち位置指定)
〒460-0007 愛知県名古屋市中区新栄2丁目1-9 雲竜フレックスビル 西館 B1F
お問い合わせ:サンデーフォークプロモーション
052-320-9100
http://www.sundayfolk.co.jp/

大阪公演
日時:2022年3月5日(土) 開場17:30 / 開演18:00
会場:バナナホール ※スタンディング (立ち位置指定)
〒530-0027 大阪府大阪市北区堂山町1-21 モンテビルB1F
お問い合わせ:キョードーインフォメーション
0570-200-888 (11:00〜16:00 / 日曜・祝日は休業)
http://www.kyodo-osaka.co.jp

東京公演
日時:2022年4月23日(土) 開場17:30 / 開演18:00
会場:竹芝ニューピアホール ※全席指定
〒105-0022 東京都港区海岸1丁目11-1 ニューピア竹芝ノースタワー
お問い合わせ:キョードー東京
0570-550-799 (平日 11:00~18:00 / 土日祝 10:00~18:00)
http://kyodotokyo.com/

【チケット】
6,800円 (税込)
※名古屋公演・大阪公演は立ち位置指定、東京公演は全席指定での販売。
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
※おひとり様2枚まで。
※名古屋・大阪公演は別途ドリンク代600円必要。

■関連リンク
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