『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE-LA』

BTS、LA公演で見せた音楽好きな7人の初心 ARMYから送られる熱量がエネルギーに

 彼らはMCでこの2年間について「とても深いトンネルにはまっていました」と語り「みなさんがかつてのように愛してくれなかったらどうしよう。年も取ったと思うし……」と続けていた。今やグローバルグループとして、他の追随を許さないほどの勢いを持つBTSでさえ、そんな不安を感じるのかと驚かされるような言葉。だがその気持ちこそが、彼らの努力を惜しまない謙虚さに繋がっているのだとわかる。初日の夜、久しぶりの有観客ライブに幸せを感じながらも「どこか受け止めきれなかった」という感想を述べていたのはJIMINだ。「ぎこちなくて、嬉しくて、たくさんの感情が出てきました。簡単に言うと、すごく戸惑った」と。そんな率直な思いも、完璧を求める彼らのプロ意識の高さゆえだろう。

 RMとJUNG KOOKもまた、初日はどうやってやったのか思い出せないほど「緊張していた」とし、「2回、3回、4回とやるうちに、視野もだんだん確保されながら何か帰ってくるような感じ? 楽しむことができるようになって」と徐々に感覚を取り戻していったと振り返る。そしてこの感情を忘れずに、決定している3月のソウル公演に繋げていくのが目標だと語った。

 以前のようにオフラインコンサートが当たり前となる世界に戻るのには、もう少し時間がかかりそうだ。エンタメ業界全体が試行錯誤と新たなチャレンジを強いられているが、むしろBTSはこのARMYと会えない時間にこそさらにパワーアップしたのだと、今回のLA公演を通じて実感することができた。深く屈伸した分だけ、高くジャンプできると信じて。2022年こそ、BTSと世界中のARMYが再会できる年になることを願ってやまない。

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