TWICE、BLACKPINK……K-POP市場を世界規模に拡張させた“第3世代”、イメージ構築の違い

 また、唯一無二のアイデンティティを築き上げてきたガールズグループといえば、やはりBLACKPINKが挙げられるだろう。これまでデュア・リパ、レディー・ガガ、セレーナ・ゴメス、Cardi Bなど錚々たる面々とコラボを果たしながら全世界へ向けてアピールされてきた4人の個性は、メンバー全員が別々のブランドアンバザダーを担うなど、今やグローバルな影響力を及ぼすアイコンとなっている。それぞれのパーソナルな魅力はSNSによっても強調されており、Instagram・YouTubeはメンバー各自が個人アカウントを持ち、プライベートショットやVlog、ダンス動画と様々なコンテンツが投稿されている。

 こうした“個”の強みが最大限に発揮されるのは、2018年より進行しているメンバーのソロプロジェクトだ。これまで彼女たちの楽曲を手がけてきたプロデューサーのTEDDYはBLACKPINKのソロ作品を「(各メンバーの)個人的な話」と表現したが、現状リリースされたソロ作、JENNIE『SOLO』、ROSÉ『-R-』、そしてLISA『LALISA』ではそれぞれが表すユニークなサウンドカラーや作品性により、各メンバーの持つ多様な文化的バックグラウンドが物語られた。また今年には、LISAがメーガン・ザ・スタリオン、オズナとともにDJ Snakeの楽曲「SG」のコラボアーティストとして招かれるなど、ソロとして他アーティストの作品に参加する活躍もみせている。

 と同時に、インタビューにて「ソロアーティストとして売上記録を作るなどグローバルな影響力を持つなか、自分が考える自身の強みは何だと思うか?」と問われたLISAが「(大衆が)今までBLACKPINKが歩んできた道をよく見てくれたんだと思います」と答えているとおり、彼女たちが持つ“個”の強みはBLACKPINKという“ホーム”の魅力と循環しているとも言える(※2)。ROSÉのTikTokアカウントでは「LALISA」に合わせてLISAとともに踊った動画が投稿されるなど、それぞれの個人活動を他メンバーが応援する様子もうかがえる。

@roses_are_rosie

Chaelisa Love Me 💛 @bp_tiktok

♬ LALISA - 리사 (LISA)

 最近では、TWICEなどを輩出したJYPエンターテインメント所属のITZY、メタバースなど斬新な世界観で注目を集めるaespa、音源チャートで躍進を見せているSTAYCらに加え、元IZ*ONEメンバーが所属することでも知られるIVEやオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』発のKep1erなど、“第4世代”と呼ばれるグループの出現と活躍がシーンを賑わせている。K-POP市場が全世界規模となった近年では、芸能文化やファンカルチャーがそれぞれに異なる各地域のファンダムに対し、広くそして深く訴求するためさらなる工夫が要されているだけに、新世代がどのようなグループイメージを呈示するかといったところにも着目していきたい。

※1:http://m.bntnews.hankyung.com/apps/news.view?aid=202107032231233&media=bntMobileStyle
※2:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/36563

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