Runny Noizeと亀田誠治が目指したメロコア×ポップスの融合 シンプルを徹底する引き算の美学

Runny Noize×亀田誠治 対談

デモを送ってから2週間ぐらい返事がなかった(亀田)

ーー亀田さんの中で、Runny Noizeの強み、伸ばすべきところというのはどういう部分だと捉えていらっしゃったんですか?

亀田:みんなが歌うっていうところ。打ち合わせしてるときに、普通はみんなで歌うか、誰かがハモるかみたいなのが多いけど、1番と2番と3番でサビの主役を変えたいとか、そういうリクエストが出てきてたりとかもして。すごくいろんな思いが詰まっているんだろうなと思ったし、配信ライブを見ていても、無観客でも画面の先にいるお客さんを想定してサウンドを鳴らして歌を歌ったり、MCをしたりしていて。そういうテンションをどこに持っていくかっていうのはすごく考えました。これは遠慮していたらダメかなって。実際にはそうではなくなりましたけど、コロナ禍が続いて、このアルバムが完成して世の中に出ていくときもこういうニューノーマルな形のライブになるのかなって思うと、それでも突破できるように遠慮なく力強くする、ポップにするみたいなことは考えましたね。

ーーそうやって亀田さんが作ってきたものを受け取って、メンバーはどんなことを感じました?

洲崎:単純にすげえいいって思いました。

山田:うん、かっこいいって。

洲崎:それまでは小難しいことをちょっとしすぎていたんですよね、小賢しいっていうか。それをいいふうに削ぎ落としてくださって。シンプルでいいんやなって思いました。

亀田:ああ、シンプルってのは心がけた。さっき「ポップにする」って言葉を使ったけど、シンプルにするってのはすごく心がけて、それがこの状況でこの先にいる人々に届ける一番大事なことだなと思ってましたね。

フクシマ:でも「これでどう?」っていうのがあって、それに対して自分たちのオーダーとか「これはこう変えたい」とかっていう部分があるなら言ってねっていうことだったんですけど……逆にもう僕らからしたら、今度「変えろ」っていう宿題を与えられたような感じだったんです。「いや、これ無理やろ」みたいな。

児玉:「どこが間違ってるでしょう?」みたいな(笑)。

山田:別に無理して変えんでいいんですけど、このまま「これでいいです」って言ったらそれはそれで何かやりがいないやつらやと思われるかなって、勝手に心理戦みたいな感じ(笑)。

亀田:そういうやりとりがあったらしくて、僕のデモ送ってから2週間ぐらい返事がなかったんですよ(笑)。そのときはさすがに「ほんまにもうクビかな」と思いました(笑)。みんな気に入ってないんかなって。

洲崎:考えすぎてしまってた。すいません(笑)。

その画が本当にもうスター登場みたいな(山田)

Runny Noize(ラニーノイズ)「Love&Peace」MUSIC VIDEO

ーー実際のレコーディングでの空気感というのはどうだったんですか?

洲崎:もう亀田さん、初登場から印象的でした。

山田:ちょうどスタジオが地下にあるところなんですよ。で、螺旋階段があって、僕ら地下で待ってて、亀田さんが螺旋階段をゆっくり降りてくるんです。その画が本当にもうスター登場みたいな(笑)。

亀田:何それ(笑)。

山田:脱いだコートを僕、受けとりそうになりましたからね。「僕にかけさせてください」って。

洲崎:現場もすごい和やかなまま進めてくださいました。

亀田:今回、いつもの僕のレコーディングするスタッフチームじゃなくて、Runny Noizeチームとやりたいって話をさせていただいて、それが結果すごくよかったと思います。みんなにリラックスしてもらいたいというのもそうだし、あとは今回初めから4曲って決まっていて、残りの曲はメンバーでやるっていうことになっていたので、そこにも僕と一緒にやった何かが残せるかもしれないと思ったんです。いつものチームでやることで、現場も戸惑いなく高めていけるんじゃないかなって。スタジオの中でのディレクションとかは普段の僕と同じやり方で、いいところはいい、失敗したところはじゃあ直そうっていう、ただそれだけなんですよ。でもそういう環境面のバトンも渡したいっていうのはすごくありました。

ーーそうしてできあがった4曲なんですが、まずはフクシマさん作の「Love & Peace」。これについてはフクシマさんご自身としてはどんな手応えを?

フクシマ:最高。最高ですよ、ほんまに。なんか今のコロナ禍とかをぶっ飛ばすような、からっと明るい、アメリカンな、爽やかなサウンドみたいな感じをイメージして作ったんですけど、ほんまにそれがもう最強バージョンになって返ってきたみたいな……合ってます? これ。

洲崎:緊張してんのか(笑)。

亀田:これは今回の曲中で一番原型をとどめてるかもね。元々テツヤくんが出してきたものに近い。何やったっけ、さっき言った……「アメリカンで、爽やか」? わかんないけど(笑)、そういう感じは始めからあった。このサブスク時代になってからバンドが弱いんですよ、世界的に。2000年代の初頭ぐらいまではこういうメロコア派生のキャッチーなバンドがたくさんいたじゃないですか。Green DayとかZebraheadとかもそうだし。ああいうバンドが持っていたような「パーティー感」って言っていいのかな、そういう底抜けに明るい感じっていうのをやってもRunny Noizeだったら恥ずかしくないなっていうので、サウンドをデザインしていきましたね。

洲崎:確かにアレンジで言ったら、ほんまに原形のままですね。ちょっとギターリフが加わってみたいな感じ。楽しい曲なんちゃうかな。

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