二期生で歌唱力に注目されているのが富田鈴花。齊藤が『日向坂で会いましょう』（テレビ東京）で「歌がうまいメンバー1位」に選ぶほどで、SHOWROOMでの配信をはじめ、松田好花とのユニット・花ちゃんズでの弾き語りでもその実力は証明済みだ。花ちゃんズは今年、新型コロナウイルスに伴い延期されていたギター弾き語りライブ『MTV ACOUSTIC FLOWERS -Until Full Bloom “Bell & Like”-』を開催し、『MTV LIVE MATCH』でのオープニングアクトも担当。様々なアーティストのファンがいるアウェイの会場でも、堂々としたパフォーマンスを披露。特に富田は音域も広く、松田の特徴的な高音ボーカルをしっかりと受け止め、絶妙なハーモニーを生み出す。その上で、自分でも高音域を担うことができる、まさに日向坂46の歌職人と言える器用さだ。

　他にも二期生は、金村美玖や渡邉美穂など高音が魅力的なメンバーが数いる中で、加藤のように艶のある魅力的な歌声を持ち、歌唱面で今後期待されるのが濱岸ひより。けやき坂46時代の二期生の楽曲「最前列へ」の歌唱パートで低音の魅了的な歌声を聴かせるなど、その才能の片鱗を垣間見せてきたが、2021年はみーぱんファミリー「酸っぱい自己嫌悪」で艶と力強さのある、思わず聴き惚れてしまうような歌声を披露した。日向坂46主演のドラマ『声春っ！』（日本テレビ系）内のアイドルユニット・チョコラショコラのセンターを務め、11月5日に行われたオンラインライブイベント『日向坂46×KOEHARU LIVE SHOW！』では、X JAPANやBABYMETALを彷彿とさせるメタル調の楽曲をパフォーマンス。楽曲の勢いに負けない濱岸の力強く透き通った歌声が、この日一番の注目を浴びた。エモーショナルという言葉がピッタリの濱岸の歌声は、今ライブで一番聴きたいメンバーの1人だ。

　そしてもう1人期待されるのが影山優佳。活動休止前のけやき坂46時代のSHOWROOM配信では、伸びのある優しい歌声を聴かせ、番組『欅って、書けない？』（テレビ東京）でのカラオケ対決でも齊藤と二分するぐらいの歌唱力を見せていた。ただ、日向坂46に復帰してからは、影山の歌声がフィーチャーされる機会はまだ訪れていない。日向坂46の最終兵器としてサッカー関連の仕事や映画などで大活躍しているが、本当の意味での最終兵器は影山の歌にあると思うので、再びその歌声に脚光が当たることに期待したい。

　最近は激しいダンスがアイドルグループのトレンドになっているだけに、他と差別化するには歌唱力が重要になるだろう。現に加藤と齋藤、花ちゃんズはそれぞれが音楽番組に出演するるなど需要が増えているようにも感じる。今回挙げたメンバーの他にも、上村ひなのを筆頭とした三期生をはじめ、6thシングル『ってか』では新たなユニットも続々誕生している。年末年始の音楽番組や単独ライブ『ひなくり2021』など、今後も日向坂46のパフォーマンスを見る機会が多くなりそうなだけに、グループの新たな歌姫の存在を探していきたい。

※1：https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/35194?ima=0000&cd=member

※2：https://www.hinatazaka46.com/s/h46app/diary/detail/41233?ima=0000&link=ROBO004&cd=member