『Re:Play』インタビュー
ときのそらが語る、VTuberとして活動を広げてきた5年間 「カバーアルバムは自分の履歴書を見てもらう気持ち」
「VTuberが当たり前の世の中になってくれたらいい」
ーー今回のアルバムで初カバーとなった楽曲のひとつ、「赤いスイートピー」(松田聖子)はどうですか。この曲は40年近く前の曲でもありますし、原曲とは結構アレンジが違っていて、今回のカバーではオーケストラなども加えたバラードになっていますね。
ときのそら:この曲はお母さんが好きな曲で、アンケートに「松田聖子さん」と書いていたら入れてくれた曲でした。元の曲よりもかなりしっとりとしたバラードになっているので、最初はどう歌えばいいか少し迷ったんですけど、聴いてくれる人たちが癒されたいときに、ゆっくり聴いてくれたらいいな、と思って優しい雰囲気で歌っていきました。
ーーアルバムの最後に収録されている、そらさんが初期に「歌ってみた」動画を挙げていた「エイリアンエイリアン」と「太陽系デスコ」についても改めて聞かせてください。今回のアルバムでは、今のそらさんが歌い直していますよね。
ときのそら:やっぱりこの2曲は、私が「好きな曲」や「歌いたい曲」を聞かれたときに、真っ先に出てくる2曲で、自分を知ってもらえるきっかけをくれた曲だと思っているんです。今回アレンジがかなり大きく変わっているんですけど、歌い直すときには、「前の自分を越えたい」と思っていました。当時の私って、今よりも強く歌うのが苦手だったので、「太陽系デスコ」は歌っていて苦しそうに聞こえていたんじゃないかと思いますし、「エイリアンエイリアン」は高い声は出ているけれど、綺麗に聴かせようとして優しい歌い方になっていたのかなと思っていて。でも、今回の作品ではそうじゃなくて、アップテンポな原曲の雰囲気を伝えるためにも、とにかく楽しさを表現できるように、前よりもパワーのある歌声で歌っていきました。
ーーこの2曲は、まだ友人Aさんが動画を作っていた頃の、駆け出しの頃のそらさんの「歌ってみた」で投稿されていた楽曲でした。そう考えると再び歌い直した今回までの間に、そらさん自身もいろんなことを乗り越えてきたんじゃないでしょうか?
ときのそら:自分自身では「乗り越えてきた」という感覚は全然なくて、「いつの間にかここまで来たな」という感覚の方が強いです。でも、確かに改めて考えてみると、毎年いろんな壁を突き破ってここまで来たな、というふうには思いますね。『Re:Play』には、「太陽系デスコ」や「エイリアンエイリアン」が入っていて、その次に出した「ファンサ」もあって、最近「歌ってみた」として出した「KING」も入っていて、これまでの私の「歌ってみた」をなぞっている部分もありますし、これまで歌ったことのない楽曲も入っていますし……そういう意味では、カバーアルバムではありますけど、みんなに私の履歴書を見てもらうような気持ちにもなったりします。『Re:Play』というタイトルには、たくさんの名曲を文字通りカバーさせていただく(Replay=再演)という意味と、繰り返し何度も聴いてほしいという意味を込めています。
ーーいよいよ近づいている5周年に向けての気持ちについても教えてください。
ときのそら:私自身は「もう5年なんだ!?」という感覚で、まだ実感がないというのが正直なところです。5年って大きな節目の年だと思うんですけど、たぶん活動していく中で、あまり「長さ」を意識していないんだと思います。それよりも、「今の自分にできる最高を出そう!」と思ってずっとやってきたのが、今に繋がっているのかなって思っています。
ーー5年間での変化についてはどう感じていますか?
ときのそら:やっぱり、5年間の中でいいことも悪いことも含めていろいろなことが変わったと思っていて、私たちの活動にいろんな方が興味を持ってくれたり、今では一緒に頑張ってくれる後輩たちがたくさんできたりしたことを本当に嬉しく思う一方で、初期から一緒に活動してきたお友達が活動を止めてしまうことも経験しました。でも、私たちVTuberという存在が、いろんなところで認められ始めているのは、本当にいい変化だと思っているんです。最初の頃から言っていることでもありますけど、この流れがずっと続いてくれて、VTuberがいることが当たり前の世の中になってくれたらいいなって思います。最近は街を歩いていても、VTuberのみんなの話をしている人に出くわす瞬間があったりして「わぁ!」って思ったりもするんです。でも、まだ「VTuberって何だろう?」っていう人の方が多いと思うので、これからもみんなで頑張っていくことで、「VTuberってこういう人たちだよね!」って、もっともっと知ってもらえたら嬉しいなと思っています。
ーー今回のカバーアルバムには、VTuber文化に触れたことがない人にも馴染み深い楽曲が入っていると思うので、そのきっかけになったら最高ですね。
ときのそら:本当にそうですね。そうなってくれたら一番嬉しいなって思います!
ーー同じく5周年に向けた企画の一環で、来年1月には映画館での二拠点同時開催ライブ『ときのそらTheatrical Cover Live「Role:Play」』も開催されます。このライブについてもどんなことを楽しみにしているか教えてください。
ときのそら:今回は東京と大阪の2カ所で開催されるので、前からずっと言っていた「全国ツアーがしたい!」ということの一歩が踏み出せたのかなと思っていますし、今まで東京だけだったから観に来れなかった人も、ぜひ来てもらえたら嬉しいです。もっと色んなところで私たちの活動を見てもらえるきっかけのひとつになれたらいいな、と思います。それに今回は映画館を使ったライブで、昼と夜の2公演で内容も半分ぐらい違うものにしようとしているので、その2つで私の見せ方を変えられたら、とも考えているんです。どっちを見てくれた人にも、「いいな」って思ってもらえるようなライブにしたいと思っています!
■リリース情報
ときのそら 3rd Album『Re:Play』
2021年11月24日(水)発売
・初回限定盤(CD+グッズ)¥7,480税込
<初回限定盤特典>
描き下ろし絵柄スリーブケース、ときのそらボイスキーホルダー「Re:Member」、“Re:Play”スペシャルICカードステッカー、ときのそらライブパスレプリカ
<封入特典>(初回生産分のみ)
限定VRイベント参加応募シリアルコード、ときのそらの軌跡を巡る『Re:Play』オフィシャル壁紙
・通常盤(CD)¥4,180税込
<封入特典>(初回生産分のみ)
限定VRイベント参加応募シリアルコード、ときのそらの軌跡を巡る「Re:Play」オフィシャル壁紙
<収録内容>
1. HOT LIMIT
2. ロマンスの神様
3. ファンサ
4. MASAYUME CHASING
5. 怪物
6. アンドロイドガール
7. God knows…
8. Butterfly
9. まっさらブルージーンズ
10. 嘘
11. 赤いスイートピー
12. この世界で
13. KING
14. エイリアンエイリアン
15. 太陽系デスコ
アーティストページ:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A026407.html
3rd Album『Re:Play』特設サイト:https://www.jvcmusic.co.jp/tokinosora/65580/