葛葉、メジャーデビューの決意を宣言した夜 ファンへの感謝に溢れたバースデーイベントレポ
そして、この記念すべき一曲が披露された後のMCでは、<ユニバーサルミュージック Virgin Music>からのメジャーデビュー、来年3月9日の1stミニアルバム『Sweet Bite』発売、スタッフ運営のTwitterと公式Instagram開設、と立て続けに驚きの重大発表が。
「みんなのおかげで掴み取れたチャンス」と感謝を何度も伝え、「成長を見てもらいたい」「いつも期待しないでって言ってるけど、少しだけ期待して欲しい」とメジャーデビューにあたっての前向きな姿勢を語った。そんな大きな発表の後も、いつもの調子を崩さず「大丈夫、メジャーに行っても遠くへ行くわけじゃない。別に明日もスプラトゥーンするし、離れるわけじゃない」と会場を和ませ、これからもファンと共に歩むことを約束した。
続いて披露された「決意の朝に」、「Sign」は、新しいスタートラインに立った葛葉の熱い気持ちを宣言するような2曲。「Sign」の曲中では、ファンへの感謝と決意を叫ぶ場面もあり、多くの人の胸を打ったことだろう。
この2曲について「気持ちを込めるにはぴったりの曲。自分にもみんなにも刺さる」と語り、「心に来たって人いる?」と問いかけると、会場全体から大きな拍手が起こり「ってことは、俺はアーティストだわ」と笑顔でこぼすと、会場からはさらに大きな拍手が鳴り響いた。
ラストナンバーは、「愛言葉ⅱ」。またこれまでと違うカラーのポップな選曲で驚かせつつ、彼を語る上でのキーワードでもある“感謝“を余すことなく伝え、葛葉らしく最後の一曲を歌い上げた。会場はもちろんのこと、配信画面の向こうの表情をも確かめるように手を振り何度も感謝を述べて、ファンもそれに拍手で応える。あたたかく感動的な空気の中、イベントは幕を閉じた。
彼のようにハイブリッドな活動をすると、どの部分を支持するかファンによって違うはずだが、今回も音楽的な充実と人を楽しませるトークスキルの両面からアプローチすることで、多方面を満足させるイベントを構築することに成功した。どんなファンも取りこぼさない姿勢は、彼が度々口にする“感謝”の思いからくるものなのだろう。
また、歌の旨さや声の良さに加えて、丁寧な楽曲振り返りなどからも伝わるこだわりの選曲からも、葛葉のアーティスト性が垣間見ることができた。彼らしいバンドやボカロからの選曲だったが、原曲が本来持つ意味や物語を超えて、葛葉自身やファンの気持ち、本人のストーリーに歌を重ね合わせる、稀有な力を感じさせた。
メジャーデビューが決まり、アーティスト活動が本格化する中、これからどのようなオリジナリティを発揮していくのだろうか。今後も葛葉の活動から目が離せない。