LiSAが『鬼滅の刃』無限列車編を新たに彩る テーマ曲「明け星」「白銀」をOP&ED映像と共に聴き解く

 ギターのフェードインから始まる「白銀」は「ウォーオオオー」というシンガロングも特徴的。太陽が山に沈んでいく様子を早回しで見せるED冒頭の映像も相まって、そのサウンドからは広大な景色が浮かぶ。ギターカッティングが曲自体を前へと駆動させ、軽やかなストリングスも絡んでくるなか、Aメロ後半からは4ビートの刻み方が一層力強くなり、LiSAの歌い方も重心低めに変化。その箇所では〈まだ足りない/こんなもんじゃない/届かないのは嫌だ〉とストレートな気持ちが歌われ、〈まだ足りない〉の「ま」の部分には“がなり”を入れる(「紅蓮華」でも見られた歌唱法)など、剥き身の感情が歌でも表現されている。ひらひらと翻るようなサビメロは梶浦節全開で、ピッチを確実に当てながらこれを歌いこなすLiSAのボーカルも聴きどころの一つだ。「白銀」はフルサイズ解禁前のため、シングルリリースを心待ちにしていたい。

 周知の通り、『無限列車編』の物語の全貌はすでに映画館にて上映された。劇場版が高い評価を得て社会現象を起こすと同時に、主題歌の「炎」も浸透していき、“『無限列車編』といえば「炎」”、“「炎」は煉獄さんの曲”と思っていたファンも少なくないだろう。そんなファンの期待値が上がりきっているなか、次なるテーマソングが私たちの期待を超えるクオリティで届けられたことで、LiSAや梶浦ら音楽制作スタッフの実力が改めて示された形だ。また、アニメ自体のクオリティも高く、劇場版を観た人も観ていない人も楽しめる内容となっており、『鬼滅の刃』制作陣への敬服の念は募るばかり。第3話以降の放送も、OPとEDと共に引き続き楽しみたいと思う。

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