LiSAが『鬼滅の刃』無限列車編を新たに彩る テーマ曲「明け星」「白銀」をOP&ED映像と共に聴き解く

 いよいよ放送が始まったTVアニメ『「鬼滅の刃」 無限列車編』(フジテレビ系)。10月17日に放送された第2話では、LiSAが歌うOPテーマ「明け星」とEDテーマ「白銀」(しろがね)がベールを脱いだ。「紅蓮華」、「from the edge」(FictionJunction feat.LiSA名義)、「炎」に続いてLiSAが『鬼滅の刃』にどんな曲を寄せるのか、長らく注目が集まっていたところだ。なお、「明け星」「白銀」はともに梶浦由記の作詞・作曲・編曲によるもの。梶浦は、椎名豪とともに『鬼滅の刃』シリーズの音楽を手掛けており、「from the edge」(作詞・作曲・編曲)、「炎」(共作詞・作曲・編曲)でもLiSAとともに楽曲を制作している。

LiSA「明け星」

 OPテーマの「明け星」は、LiSAと梶浦の作風が分かりやすく前面に出ているため、両者が巡り会い、互いの色が混ざり合ったことで生まれた曲という印象だ。まず耳に入ってくるのはイントロのストリングス。異世界情緒溢れる旋律は、梶浦が手がけたAimer「I beg you」などを彷彿とさせるもので、梶浦らしい要素と言って差し支えないだろう。ミステリアスなメロディが“ここからどんな物語が始まるのだろう”という視聴者の期待感を掻き立て、LiSAのボーカルが纏う悲しくも艶やかな空気も新鮮。一方、重心の低いギターリフを筆頭としたハードロック調のサウンドはLiSAらしく、この力強いサウンドがあることで、何度でも立ち上がる登場人物たちの性質、そして彼らの内側にある容易く切ることができない一本の芯が表現されている。

 OP映像では竈門炭治郎と煉獄杏寿郎がフィーチャーされ、冒頭タイトルロゴとともに2人の凛々しい横顔がクローズアップされる場面も。一方、家族との温かな交流も描かれているのが切なく(それは炭治郎や杏寿郎にとって“すでに失われたもの”である)、〈優しく誘う昨日に手を振って/僕らは泣いた/また走り出すために〉というフレーズに胸を締めつけられる。そんななか、〈迷っても嘆いても生命(いのち)は/明るい方へ手を伸ばすから〉と歌うことで、肉体は滅びても想いは受け継がれていくという『鬼滅の刃』内の生命観に則り、希望を提示することも忘れない。

  明星とは一番明るく輝く星のことで、これが誰を象徴するモチーフなのかは言うまでもないだろう。しかし“明星”ではなく“明け星”と冠しているのは、夜から朝にかけて物語が展開される『無限列車編』の時間軸に沿いつつ、過酷な運命に見舞われ続ける炭次郎らの戦いが確実に夜明けに向かっていることを示唆するためかもしれない。なお、「明け星」と「白銀」は11月17日に両A面シングルとしてリリースされるが、「明け星」は先行配信が始まっているため、ぜひフルサイズもチェックしてみてほしい。2番以降に用意されているさらなる展開、覚悟に至るまでの複雑な心模様を表現するLiSAの素晴らしいボーカルを堪能できる。

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