『Amulet』インタビュー

SHE’S 井上竜馬が『Amulet』で辿り着いた境地 「本質的に人間が孤独だからこそ届けられる音楽がある」

引き算ではなく足し算で面白さを見出す

――「So Bad」は男性ファンにとっての“Amulet”になりそうだなと思ったんですけど。

井上:ああ、そうですね(笑)。もう片思いしてるメンズはみんな聴いてほしい。

――こういうロマンチックな内容ってなかなか書くアーティストは少ないけど、いいですよね。終盤、サックスも入っていますし。これはやはりずっと洋楽を聴いてきた井上さんらしさなのかなと。

井上:「入れられるものは入れちゃっていいんちゃう?」っていう。引き算ではなく足し算で面白さを見出すゾーンに入ってるんで、今。今まで入れたことのない楽器とかも、意欲的に使いましたね。

――今までは逆境の中でも歩いていく、みたいなメッセージが多かったけど、こういうもどかしいような可愛らしいような素直な曲は珍しいなと思いました。

井上:確かに。僕の性格的に、気になっている問題とか、自分の中で向き合いたい問題に対して、掘っていって、「じゃあこうしていこうかな」とか「こうやって生きていこう」と解決を求めてしまって。このどうしようも解決できない感情みたいなものを歌にすることが珍しかったんで、楽しかったですね。

――それは楽しくなったんですか?

井上:楽しくなりましたね。最後にサビじゃなくて「ギターソロで終わってやろう」とか、すごくミニマムな構成にしてみたりっていうチャレンジもしたから。でもそれはこの曲というよりアルバム通してかな。4分台の曲をなるべく作りたくない、3分台で曲を物足りないと思わせずに作ることを目標にしていたんで。

――そして、曲調は明るいけどシリアスなテーマの「If」。なぜこういう曲を書こうと?

井上:もともと去年、コロナ禍で『Tragicomedy』に入らなかったデモ曲としてSNSに一番だけアップしていた曲なんです。「“たられば”の話してもしょうがないじゃん」みたいな意見の方が世間的には多いかなと思いながらも、でも、「もしも」を話すのが楽しいときもあるし、「もしも」って考えるからこそ、人に愛情を渡せるときもある。というのも、僕の友達が病気で倒れたことがきっかけで、この曲を仕上げようと思ったんです。一番だけ聴いたら、可愛いカップルの曲ではあるんですけど、そこから転々としていって、「もしも」話が派生していくような、移り変わりを表現したくて構成したんです。「まさか」ってことが起こり得るのが人生だし、でも、この「まさか」が起こり得るからこそ予防しようと思えるし、予め後悔しないように「こうしよう」と思うことができる。「まさか」が起きたから考えることもあるし、意外と「If」って大事なんだなと思って書きました。

――これはひとりで考えたいときの“Amulet”かもしれないです。そしてアルバムのタイトルチューンがありますが、これはアルバムタイトルが決まってから書いたんですか?

井上:そうですね。

――大きいテーマですね。

井上:いつもアルバムの最後にまとめというか、アルバムを通じて伝えたいことを総括するような曲を入れるんですけど、「Amulet」もそういう曲として書きました。

SHE’S – Amulet【MV】

――〈どうしてこんなに絶望してるのに生きていたいんだろう〉という一行はパンチラインですね。例えば井上さんにとってはどういう状況ですか?

井上:そうですね……例えるならなんなんだろう。例えば、SNSがきっかけで自殺する人。それはコロナ禍でそういう人がわりと多かったのか、今までも多かったけど、それがこの時代によって露呈しただけなのか、その辺の真相はわからないですけど。でも同じように『Tragicomedy』のときに向き合っていた躁うつ病の子が、自殺しようとしたときに「怖くなって、飛び込めなかった」みたいなことを言っていて。本当に死にたいと思って行動に移そうとするぐらい生きることに絶望していたけど、それでも怖い、生きたいと思って、何を求めているんだろう? そう思ったから書いた一行なんですよね。

――「生きたい」って、根源的なことなのかもしれないですね。論理的に考えているんじゃなくて。

井上:両方を知ってるからだと思うんですよね。楽しかったときとか、嬉しかった気持ち、生きてて楽しいと思っている時期を知っているからこそ絶望に耐えられないんだと思うし、絶望しているけどこんなに生きたいのはその時を知っているからだと思う。双方がセットだからこそ、そこに行きたくて、でも行けなくて、終わらせたくなってしまうのかなとも思います。両方に行けない自分にがっかりするのも疲れたし、とか、いろいろな要因が重なっていると思うんですけど、たった1曲でも救われる人生もきっとあるし、沈んでいくときに1曲お守りとしてこの曲があったらいいなと思って、言葉を作っていましたね。

――これはまさに今の自分に必要だという人はいると思います。お守りって結局、踏み込んだ部分がないとお守りになりえないということが、この曲で証明されているような。

井上:お守りって一人のときにしか効果がないから。二人、三人、四人って仲間がいる状態だと心強いからお守りのことを考えないんですよ。でも孤独を感じるときこそ心の支えが必要で。それが見つからない人にとっては音楽がお守りになったりすることもあるし。本質的に人間自体が孤独だからこそ、届けられる音楽があるのかなと思ったりしますね。

――SHE’Sの本質は同じだったということですね。当たり前ですけど。

井上:(笑)。そうですね。変わってないですね、あんまり。

――このアルバムができたことでSHE’Sはどこに行けそうですか?

井上:『Amulet』では、この「アルバムとして作る!」って作り方をやめて。厳密に言ったら、書き下ろしの曲が今までより多かったのでできなかったっていうのもあるんですけど。でも、一つのテーマに縛られないようになったことで、全然違った音楽の形を見つけれたので、ある種、時代に適応したアルバムで、なおかつ時代にちゃんと届けられる、刺さる作品でもあるのかなとも思うんで、すごく自信がつきました。また凝ったテーマのある作品も作れたらいいなと思いつつ、こういうアルバムの作り方もあるんだな、できるんだなとわかったから、より自分たちの自由度が広がったと思います。

『Amulet』(初回限定盤)

■リリース情報
『Amulet』(読み:アミュレット)
2021年10月6日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD+フォトブックレット/スリーブケース仕様)
TYCT-69210  4,950円(税込)

<CD収録内容>
1. 「Rained (inst.)」
2. 「追い風」※カンテレ・フジテレビ系火9ドラマ「青のSP(スクールポリス)ー学校内警察・嶋田隆平ー」主題歌
3. 「Delete/Enter」
4. 「Imperfect」
5. 「If」
6. 「Chained」※10月29日公開 映画「そして、バトンは渡された」インスパイアソング
7. 「So Bad」
8. 「Spell On Me」 ※テレビ東京ほか水ドラ25「ラブコメの掟〜こじらせ女子と年下男子〜」エンディングテーマ
9. 「Take It Easy」 ※カンテレ「2時45分からはスローでイージーなルーティーンで」テーマソング
10. 「Do You Want?」
11. 「Amulet」

<DVD収録内容>
・『SHE’S 10th Anniversary「From 19」』at 吹田メイシアター 2021.2.22
 Voice/Night Owl/Tonight/追い風/Dance With Me/Home
・『SHE’S “By the Lake” LIVE 』
 歓びの陽/Take It Easy/In Your Room/Set a Fire/Letter
・MUSIC VIDEO(追い風 /Spell On Me/ Take It Easy他)

『Amulet』(通常盤)

■通常盤(CD)TYCT-60180  3,080円(税込)
※CD収録曲は初回限定盤、通常盤共通 

【CD封入特典】
<初回限定盤/通常盤 共通封入特典>
ニューアルバム『Amulet』発売記念スペシャル応募抽選企画
応募シリアルナンバー封入 
※下記いずれかの特典を選んで抽選に応募可能。
Aコース : 「SHE’S Private Room 〜オンライン・リクエストセッション〜」 10名様
Bコース : 「SHE’S in BUDOKAN」特別予約
Cコース : 『Amulet』オリジナルグッズ(オリジナルメタルチャーム&ジャケットミニステッカー) 100名様

スペシャル応募抽選企画の詳細に関しては下記をご覧ください。
https://www.universal-music.co.jp/she-s/news/2021-08-20/

<店舗別購入特典>
各CDショップ&インターネット販売サイトにてニューアルバムの何れか一枚をご購入のお客様に先着で下記の特典を差し上げます。

◆TOWER RECORDSオリジナル特典:クリアファイル(A4)
初回限定盤:https://tower.jp/item/5219997
通常盤:https://tower.jp/item/5219998

◆HMVオリジナル特典:ステッカー
https://www.hmv.co.jp/news/article/2106251010/

◆Amazon.co.jpオリジナル特典:缶バッジ(57mm)
http://www.amazon.co.jp/s?ie=UTF8&hidden-keywords=B097RRN36H|B097RSH2HW

◆楽天ブックスオリジナル特典:マグネットシート
https://books.rakuten.co.jp/search?sitem=2100012446402+4988031448175+4988031448182&f=O

◆UNIVERSAL MUSIC STORE:オリジナルポスター(A2)
(※全国CDショップ・インターネット販売サイト共通特典)
https://smarturl.it/40ons1

◆全国CDショップ・インターネット販売サイト共通特典:オリジナルポスター(A2)

店舗別特典の詳細はこちら
https://www.universal-music.co.jp/she-s/news/2021-08-13/

アルバム予約はこちら
https://shes.lnk.to/amuletPR

アルバム詳細はこちら
https://sp.universal-music.co.jp/she-s/10th/

■武道館公演
2022年2月24日(木)
「SHE’S in BUDOKAN」
会場:日本武道館
開場  18:00 / 開演 19:00

料金:指定席 ¥5,830(税込)
※未就学児入場不可。 小学生以上有料。

【注意事項】
・再入場不可
・撮影、危険、迷惑行為禁止
・客席を含む会場の映像・写真が公開されることがあります。
・各種感染拡大防止施策のご協力をお願い致します。
・安全面を最大限に考慮した上で追加券売が可能となった場合には、段階的に観覧エリアを変更いたします。

問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

<Live Info>
周年ライブハウスツアー
SHE’S 10th Anniversary Tour「So Close, So Far」
日程・会場:
■10月10日(日) KT ZeppYokohama
開場 16:30 / 開演 17:30
問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

■10月30日(土)広島CLUB QUATTRO
開場 17:00 / 開演 18:00
問い合わせ:夢番地 082-249-3571

■11月6日(土)金沢Eight Hall
開場 17:00 / 開演 18:00
問い合わせ:キョードー北陸025-245-5100

■11月13日(土)仙台PIT
開場 17:00 / 開演 18:00
問い合わせ:NorthRoadMusic 022-256-1000

■11月20日(土)札幌PENNY LANE 24
開場 17:00 / 開演 18:00
問い合わせ:WESS 011-614-9999

■11月21日(日)札幌PENNY LANE 24
開場 16:30 / 開演 17:30
問い合わせ:WESS 011-614-9999

■11月27日(土)高松festhalle
開場 17:00 / 開演 18:00
問い合わせ:DUKE 087-822-2520

■11月 28日(日)Zepp Fukuoka
開場 16:30 / 開演 17:30
問い合わせ:キョードー西日本0570-09-2424(平日・土曜11:00~17:00)

■12月4日(土) Zepp Nagoya
開場 17:00 / 開演 18:00
問い合わせ:SUNDAY FOLK PROMOTION 052-320-9100

■12月5日(日)Zepp Osaka Bayside
開場 16:30 / 開演 17:30
問い合わせ:SOUND CREATOR 06‐6357‐4400
料金:前売り¥4,500(税込)+ドリンク代
席種:  
<指定席>各Zepp/仙台PIT
<全自由>広島CLUB QUATTRO/金沢EIGHT HALL/札幌PENNY LANE24/高松festhalle
※未就学児入場不可/小学生以上有料

【注意事項】
※再入場不可
※撮影・危険・迷惑行為禁止
※客席を含む会場の映像・写真が公開されることがあります。
※各種、感染拡大防止施策のご協力をお願い致します。
※安全面を最大限に考慮した上で追加券売が可能となった場合には、観覧エリアを変更する場合がございます。

▼周年公演特設サイト
http://she-s.info/shes-10th_aniv/

▼周年リリース特設サイト
https://sp.universal-music.co.jp/she-s/10th/

【オフィシャルサイト】
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【オフィシャルTwitter】
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