YOASOBI ikura=幾田りらは“国民の孫”? 老若男女の胸をときめかせるアイドル性

 ラジオでのikuraの可愛らしさはエピソードだけでなく、トークでのちょっとしたセンスやワード、言葉の発し方にも表れている。共にパーソナリティを務めるAyaseのトークに「うんうん」「あー」と相槌を打ってみたり、笑い声であったり、そんな些細とも言えるような場面にikuraの人柄の良さをひしひしと感じるのだ。このあたりの細かなニュアンスはぜひ実際に番組を聞いて確認してほしい。

 ikuraのキュートさと人柄の良さを感じるのはラジオだけではない。幾田りら名義のTwitterアカウントやInstagramアカウントを見ると、その大多数が絵文字を織り交つつも丁寧な言葉選びの投稿であることが窺える。

 絵文字からは可愛らしさを、丁寧な言葉選びからは人柄の良さを感じる。どちらもこれまで挙げてきた彼女のキャラクターと通じるものがある。キュートで、健気と言えるような人柄の良さもあわせ持つ、親しみやすい彼女のキャラクターはひとつの“アイドル”ーーここでの「アイドル」とは偶像や崇拝の対象という意味ではなく、憧れや親しみの対象という意味だがーーそんな“アイドル性”を持ったものなのではないだろうか。

YOASOBI - 夜に駆ける / THE HOME TAKE
幾田りら「SWEET MEMORIES」(松本隆トリビュートアルバムより)
あなた / 宇多田ヒカル (cover)

 言うまでも無いことかもしれないが、彼女の活躍には歌唱力や彼女の声という存在ももちろん欠かせない。「夜に駆ける」や「アンコール」といった楽曲に代表される、ある種の諦観を醸し出すYOASOBIの楽曲特有の世界観を歌いこなすのはもちろんのこと、幾田りら名義で参加した松本隆トリビュートアルバムにおける松田聖子のカバー「SWEET MEMORIES」、さらにはYOASOBI以前に加入していたアコースティックセッションユニット ぷらそにかでのカバー曲など、どんな楽曲も自分のモノにしてしまう彼女の素朴なのに果てしない歌心がリスナーの心を掴んでいることは言うまでもない。

 彼女の持つ柔らかくも芯のある特別な声は、周波数という数値にも如実に表れていることが本人たちによって明かされている。5月25日に放送された『YOASOBIのオールナイトニッポンX』でikuraの歌声や話し声が「23k」という、通常動物にしか聞き取れない波数を記録していると話した。ikuraが特別な声を持つシンガーであり、だからこそ歌手活動や声優活動に多く抜擢されていることが分かるエピソードだろう。

 幾田りらが沢山のファンから愛される理由。それは歌唱力や歌声という歌手としての大きな地盤と共に、天然で人懐っこく、健気で老若男女誰からも愛される彼女のキャラクターというのも大きい。ラジオやSNSで見せるそのキャラクターに心を掴まれてしまったファンも多いはず。これからもその「愛されキャラ」は多くの人々を魅了し続けることだろう。

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