MAISONdes、和ぬか&asmi迎えた「ヨワネハキ」バイラルでロングヒット 抜群のキャッチーさで歌われる“生きていく覚悟”
ここで「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」のキャッチーさについて、具体的に触れてみたい。音頭のリズムを大胆に取り入れながらも洗練された音色を巧みに配置した軽快なリズム、短いグッドメロディを繰り返す覚えやすい展開、歌詞の〈そういやさ そういやさ〉という、祭囃子の「そいや」「よいやさ」という掛け声にかけたパワーワード……と、最初から最後までキャッチーのオンパレードだ。〈そういやさ そういやさ〉に対するちょっと脱力したようなボーカルアプローチも非常に斬新で、メロディ、歌詞、歌声含めて見事なマッチングを見せ、この曲を象徴するキラーフレーズになっている。囃子言葉に似せたことで、日本人には耳なじみのある語感であるところも強い。歌詞の内容は、平凡から抜け出させない〈臆病〉で〈意気地無し〉な自分を自省を込めて吐露した後、最後には〈試しにちゃんと生きてみよう〉と、自分の人生を背負う覚悟を垣間見せて終わっている。「そいや」「よいやさ」は神輿を担ぐ際の掛け声だ。神輿は重い。それらは古のころから、重いものを持ち上げる際の掛け声でもあった。
人生は十人十色、千差万別である。人生観も年代により変わるだろう。しかし、「自分の人生を背負う」という重さは、重さの中身は変わったとしても、その感覚自体は万人に通ずるものなのではなかろうか。そう考えると「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」は、世代を超えてまだまだ広がる可能性をはらんでいる。