和楽器バンド、ドリカム 中村正人も賞賛するバンドの独創性 TUBEや郷ひろみとの共演では柔軟な演奏スキルを発揮
EP『Starlight』がヒット中の和楽器バンドが、様々な音楽番組に出演し、レジェンド級のアーティストとの交流を深めている。そこから見えてくるのは、“和楽器と洋楽器を融合させたスタイルの独自性”、そして“緻密なアレンジメントと演奏能力に裏打ちされた音楽性”だ。
まず紹介したいのは、『DREAMS COME TRUE 中村正人「Sound Venue」』(Amazon Prime Video独占配信)。DREAMS COME TRUEの中村正人がMCとなり、注目アーティストの“音の調理法”に迫るこの番組の第1回に鈴華ゆう子(Vo)、町屋(Gt/Vo)が出演。和楽器バンドの曲作りについて深いトークが繰り広げられた。
和楽器バンドの楽曲に対する「アンサンブルがすごく凝っているけど、コード進行はシンプル」という中村のコメントに町屋は、「ポップスの範囲でやるのが基本。音楽を聴く人がいてナンボだと思っています」と回答。バンドの個性を活かしつつも、ポップスとして成立させる和楽器バンドのスタンスを示した。
さらに中村は、和楽器と洋楽器のチューニングの違いに着目。「洋楽的なピッチ(音程)の合わせがないと成立しないのでは?」という疑問に対し、鈴華が「もともと柔軟な人を集めています。コードもわかる、譜面も読める、即興もできるメンバーばかりなので」とコメント。町屋も「各々のパートの細かいフレーズは指定しないんです。“決め打ち”のパートもあるけど、余白を持たせてるところもあるので」と、メンバー自身のプレイヤビリティを活かした編曲スタイルについて説明した。
また、和楽器バンドのライブパフォーマンスについてのトークも。和楽器バンドは毎年、『大新年会』というエンターテインメント性に特化したライブを開催しているが、実は本ライブはDREAMS COME TRUEが4年に一度開催する“遊園地”をテーマにした大規模公演『DREAMS COME TRUE WONDERLAND』への憧れからスタートしたことを告白。「ライブはエンターテインメント。音楽を聴くだけじゃなくて、ワクワクを提供したい」という鈴華に対して中村は、「(和楽器バンドのライブは)構成が練られていて、しかも音楽的」と評価した。さらに町屋は「お客さんに楽しんでもらうためにも、僕らが心の底から楽しんでいる様子を見せたい。そのためには(メンバー同士)インタープレイが大切」とコメント。優れたプレイヤーが揃った和楽器バンドならではのライブ観を明かした。
新曲「Starlight」(ドラマ『イチケイのカラス』主題歌)の制作に関するトークでは、「タイアップ先を何としても納得させたくて。意図を汲み取りながら、50パターンくらいデモを作りました」(町屋)、「仮歌を入れた曲も10曲くらいありますね」(鈴華)というエピソードを披露。ダンスミュージックのテイストを取り入れたサウンドについては、「打ち込みはつかわず、ドラムもすべて生。ドライでクリスピーなサウンドをチューニングから作りました」と語った。
「キック、金物(シンバル)、和太鼓もすべてダイアトニック(楽曲のキーを基本とした音階や和音)で割り振っています」という町屋に対して中村が、和太鼓のチューニング方法について聞くと、「大量の和太鼓を並べていただいて、実際に叩きながら、(曲に合った)音程の太鼓を探します」と回答。これには中村も「大変じゃない!?」と驚いていた。