『D.LEAGUE』特別対談 第2回
ISSEI×神田勘太朗『D.LEAGUE』対談 世界的にダンスが広がる今、Dリーガーが目指す未来とは?
2024年、Dリーガーがメダルを狙うパリ五輪に
ーーコロナ禍で歓声が難しい状況ですが、そのあたりはいかがですか?
ISSEI:やっぱり歓声はほしいですよね。パワーの出方が違うというか。いつもバーン!って登場して「イエーイ!」って盛り上がるところが、「パチパチ......」って拍手の音だけなのは寂しいですね。
神田:そうだよなぁ……。
ISSEI:ダンサーはやっぱり全員そう感じているはずですよ。仕方がないところではありますが、本音はめちゃくちゃ盛り上がってほしいと思ってやっています。あと、やっぱり「ISSEIくーん!」とか言ってほしいですね。僕も「シャァー!」って返事したいです!
神田:ダンサーもお客さんも、これだけ抑圧されてシーズン1を終えるんだから、歓声OKになったときには爆発するんじゃないかな。もう汗も涙も飛びまくりでぐちゃぐちゃになっちゃうかも(笑)。
ISSEI:そこにあのカウントダウンで、さらに歓声があるとまたゾワゾワしますね。「頑張れー!」「行けー!」って言われたら、ヤバいですね。
ーー現場以外で『D.LEAGUE』の反響を感じることはありますか?
ISSEI:はい。昔から福岡の実家にいる父に「テレビ出ろ! テレビ出ろ!」って言われていたんですよ。でもなかなか簡単なことじゃなくて。「テレビ出るのって難しいんよ」とずっと言っていたんですけど、最近ではニュースでも定期的に『D.LEAGUE』が取り上げられるじゃないですか。だから両親がすごく喜んでくれて、連絡してくれますね。社会の状況が落ち着いたら「見に行きたい」って楽しみにしているんですよ。福岡の仲間たちからも「いつも見てるよ」みたいな連絡がきますし、この前ストリートダンスバトルイベントの『DANCE ALIVE』に出た際にも「『D.LEAGUE』見てます」って声をかけてくださる方もたくさんいて。
神田:ISSEIも、他のDリーガーも、『DANCE ALIVE』の会場に入ってきた時から、子どもたちからキャーキャー言われていたのは見かけたよ。
ISSEI:「KOSÉ 8ROCKSを見てダンスを始めた」「ブレイキンを始めました」という子もいましたね。「それは熱い!」って速攻で一緒に写真を撮りました(笑)。むしろこっちが「ありがとう!」って言って。いつか大きく育ってくれればいいなと思っています。
ーーダンサーの夢を繋いでいますね。
ISSEI:SNSでもダンサーじゃない子が、毎日どこかしらで踊っている時代になったじゃないですか。さらに『D.LEAGUE』が始まって、ダンスというものがもっと身近になったのを肌で感じています。それが本当に幸せだなって。
神田:『D.LEAGUE』が目指しているのも、まさにそこで。いわゆるダンスを踊っている子たちは増えたので、Dリーガーがその子たちの憧れの的になってほしいと思ってるんです。そのためにもDリーガーという存在がもっと大きくならなくちゃいけない。『D.LEAGUE』そのものも成長させないといけないと思っています。ニュースで試合結果が報道されるだけじゃなく、CMとかバラエティとかいろんなところでDリーガーが活躍する未来を作っていくつもりです。
ーーDリーガーたちのカードが入ったチップスとかもできそうですね。
ISSEI:それめっちゃ楽しそうですね。自分のキャラクターもほしいな(笑)。それを踊りながら投げたりして!
神田:ありあり! プロ野球とか、Jリーグとか、NBAとか、メジャーリーグとかでやれていることは、おそらくみんな『D.LEAGUE』でもできると思うんですね。その順番をどこでやるか。それがこれからの課題ですね。
ISSEI:背番号もほしいです。
神田:それは実際に来シーズンから取り入れようかと考えているところで。やっぱりファンを増やしていくためにも、番号と名前の組み合わせは覚えてもらいやすいんじゃないかと。「9番の人カッコよかったね」みたいな会話が生まれやすくなると思うし。
ISSEI:みんなほしいって思っているものは結構近いと思います。
神田:本当はね、試合後にみんなで飲み会して「あれもほしい」「これもやったほうがいい」って話せたらいいんですけどね。きっと3年、5年、10年と熟成していくなかで、超絶スーパースターみたいな人が出てくる良いパターンもあれば、こいつとこいつは犬猿の仲だからくっつけちゃダメ、みたいな悪いパターンも出てくると思うんですよ。でも、そんな仲の悪い2人が勝つためには合体するみたいなドラマも生まれていくんじゃないかと(笑)。いろんなことを長期スパンで楽しんでもらえたら嬉しいですね。ISSEIも今はディレクターとDリーガーを兼務しているけど、10年後はきっと違う形で活躍しているはずなんですよ。それがディレクターの先のGMかもしれないし、もしかしたらリーグ運営かもしれないし、ひょっとしたら世界的なリーグができたときの最前線にいるかもしれない。何が起きるかわからないからこそ『D.LEAGUE』の未来はもっと面白くなると思います。
ーー今の段階で、犬猿の仲みたいなものはあるのでしょうか?
ISSEI:うちのチームでは今のところないですね。話し合いが白熱して……っていうときはもちろんありますけど、みんな寝たら忘れるタイプなので(笑)。
神田:それから僕が、ISSEI及びKOSÉ 8ROCKSメンバーに期待しているのが、2024年にパリ五輪というお祭りがあるじゃないですか。そのときに『D.LEAGUE』は3年目を超えているタイミングなので、この過酷な『D.LEAGUE』をやりながらも、オリンピックで活躍して結果を得るっていう偉業を達成してほしい。プロリーグでも多くの人に夢を与えて、五輪でも大きな栄光を掴んで……。両方手にしたDリーガーなんて最強にカッコいいと思うんで。
ISSEI:正直、うちのメンバーの誰かしらはそれをやり遂げるって思っています。
神田:過去を見ているとやっぱりオリンピックでメダルを獲ったことで、ワッとその競技に対する注目度が高まるんですよね。2024年はブレイキンが、そしてダンスが、日本で多くの人に届く大きなチャンス。あっという間にものすごい数のファンがKOSÉ 8ROCKSにつくかもしれない。
ISSEI:最初にチームを作ったときも、そこの有力選手になるであろうメンバーを集めたというのも、もちろんあるので。全力で目指していきたいと思っています。この2024年までは、オフシーズンになっても全く気が抜けないですね。毎日戦っているみたいな。『D.LEAGUE』とオリンピック、どちらの準備もバランスを考えて取り組んでいくので、ぜひ注目してほしいですし、応援していただけたら嬉しいです。