『MythEpoc』インタビュー
星歴13夜、壁に直面したからこそ得た新しい感情表現 “これまでとこれから”が詰まった『MythEpoc』全曲を語る
ライブで遊べる曲が増えてきたのも楽しい変化
ーーM3「Baby baby Cupid」については?
こもち:これはミュージックビデオがこもち的に一番好きな曲です。初めてイラストのCGだったんですけど、セリフでも出てくる女の子と男の子の心情に、この曲の恋愛観が出ていてすごく可愛いし、それだけじゃなくてちょっと切ない部分もあるので大好きです。ライブでも、その日の気分でパフォーマンスに変化がつけられて楽しいですね。例えば、〈「楽しいね!」「あーうん、そうね...」「楽しくない?」〉のところとか。「楽しくない!?」ってちょっと怒った感じになる時もあれば、「楽しくないの……?」ってちょっとネガティブな感じになったりとか。
とわ:こもちがめっちゃ元気な日の「楽しくない?」は、「いえ、楽しくないなんてことないです」って、たじろいでしまうくらい(笑)。
まうる:ふふふ。言わされてるみたいな。
ーー「今日は強めの日かな?」と注目してみるのも楽しいですね。続いて「Noisy Poemy Sweety」はいかがでしょうか?
まうる:この曲は最近ライブで初披露したんですけど、披露する前から「これはみんなに刺さるぞ」みたいな予感があってウズウズしていました。今までの星歴の楽曲で、こんなに遊べる曲ってなかったんですよね。自覚はなかったんですけど、心のどこかでこういう曲を求めているところがあったなって。
とわ:最初にまうるが「宇宙ディスコみたい」って言った時に天才かと思いました。
まうる:そうだったっけ。それ言ったのまうるだったんだ。
とわ:そうだよ! まうるは、振り付けのテーマ決めをする時のイメージが天才的なんですよ。角度が鋭いというか「あ、そんな考え方もあったんだ」っていうところを突いてくるんです。
こもち:この振り付け、ベースを作ってくれたのは、とわとまうるの2人なんですけど、完成したものを見せてもらった時の衝撃がすごくて。「星歴13夜がこういうダンスをする時がきたんだ!」みたいな。さらに「宇宙ディスコ」って聞いて、「わかるー!」って興奮しました。現実には存在しないけど伝わるっていうか、想像の範囲で最大級の宇宙ディスコでした!
まうる:今日はすごく褒められる(笑)。
こもち:こういう時ぐらいしか、恥ずかしくて言えないし!
とわ:「あのさ、食らったわ。天才だと思ったわ!」とか、急に言えないよ(笑)。
コロナ禍で触れられなくなった今も、まだ旅の途中
ーー続いて「Night Merry」ですね。
こもち:この曲は「夜の遊園地」っていうテーマでライブをさせてもらっているんですけど、パレードとかショーのパフォーマーになった気持ちになります。なので、最初と最後にお辞儀をする振り付けも入れているんです。
とわ:振り付けを作る時に「夜の遊園地っぽいよね」って話していたら、作詞の如月愛海さん(ぜんぶ君のせいだ。)も同じことを考えられていたようで。みんなで「えー、一緒だー!」ってすごく嬉しかったのを覚えています。なので、200%完全な夜の遊園地なんです(笑)。星歴13夜のライブに行けば夜の遊園地にも宇宙ディスコにも行ける!
ーーなるほど(笑)。では、「待ち惚け星の夢」はいかがでしょう?
こもち:この曲は、なんといっても歌詞が衝撃的で。「〈るぽすた〉って何?」みたいな(笑)。歌詞を書いてくれたのがGESSHI類さんとましろさんなんですけど、その独特な語彙と星歴13夜の雰囲気が混ざって、すごく新しいなと思いました。星歴13夜に新しい風を吹かせた第一歩だったんじゃないかな。
まうる:ライブでは1年以上前からたまにやる曲みたいな立ち位置だったので、お客さんからも「早く音源化してほしい」っていう声をよく聞いていたんですよね。
とわ:「やっとみんなで聴けるね!」って。めっちゃ嬉しかったです。
ーーでは続いて、こもちさんが作詞された「Face2」はいかがですか。
こもち:何よりも「好き」という気持ちを大事にして走っていきたいという星歴13夜への想いを歌詞に詰め込みました。後半には、触れたいのに触れられないコロナ禍の今だからこその心境も入っています。前のようにファンの方と握手もできず、ライブも物理的にちょっと遠くなっちゃったのが、すごく寂しくて。そんな中でも、触れられなくても進んでいくぜ! って。この最後の部分は、『ポケモン』のサトシがちょっと出ちゃってますね(笑)。まだまだ旅の途中だぜ!
まうる:だぜ!
とわ:私、〈強くない、それでも/守っていたい、愛していたい〉のところがめちゃめちゃ好きで。最初に歌詞を見たときに、なんて力強い歌詞なんだろうってグッときたんですよ。このパートは、こもちが歌ってるんですけど、音源で聴いた時に「いいね」の第二波がきたんですよ。すごく力強い声で〈強くない〉って歌ってて、カッコいいなと思って。あと、〈守っていたい〉の“守って”の言い方がヤバいので、集中して聴いてほしいです。私、初めて聴いたときにマジで10回は巻き戻したくらい。本当に最高。最高のニュアンス!
こもち:ありがとう、ありがとう。恥ずかしい(笑)。
経験を経て、歌と一緒に成長していく
まうる:まうるは、最初の〈もしもあの星よりも強く輝けたら…〉から〈「もしもし」心鳴らすよ そこで待ってて。〉までがすごく好き。
こもち:どうしても「もしもし」を入れたかったの。星歴13夜のライブって、始まる時のSEの中に「もしもし」って入ってて、それがすごく好きなんですけど、それが入った曲ってないなと思っていたんです。
とわ:あと、〈感情任せじゃ後悔しちゃう〉ってところ、すごくこもちっぽい。
こもち:そこは、星歴13夜に入ってからの2年間で変わったところというか。最初の頃は嫌だったらすぐ嫌って言っちゃうし、怒ってたらすぐ態度に出しちゃってて、相手がどう思うとか深く考えずに言ってたんです。でも、それじゃ後悔するってことを経験して、そういう成長を経たからこそ書けた歌詞かもしれない。
ーー皆さん、楽曲と共に成長を実感しているんですね。では「哀唄日夜」はどうでしょうか?
とわ:この曲は、当時星歴13夜として、初めて“哀”を表現する楽曲としてきたんです。まだ不器用で、自分の抱いている感情をライブで出すのが苦手だったんですけど、自分の気持ちを隠さないっていうことを学びました。
こもち:この曲も「Romantic Escape」と同じで、今歌うと全然違う曲に感じます。“哀”を表現しようと頑張ってきたけど、本当の“哀”を知らなかったなって。今は、メンバーが活動休止したり、脱退したり、グループとして大事な存在を失う哀しみを経験して、本当の意味での「哀唄日夜」が歌えているように思います。言い方が難しいんですけど、5人でやっていた「哀唄日夜」が間違ってたとかじゃなくて、今やる「哀唄日夜」がすごく好きです。
まうる:さっきの宇宙ディスコとか夜の遊園地もあれば、こういう哀しくて苦しい想いを吐き出す系の曲もすごく好きで、陰と陽がどちらも表現できるように成長させてもらっていると思っていて。経験を重ねて振れ幅が大きくなっていくのが嬉しいし、これからもどちらにも振れていけるようになりたいなと思います。