『MythEpoc』インタビュー
星歴13夜、壁に直面したからこそ得た新しい感情表現 “これまでとこれから”が詰まった『MythEpoc』全曲を語る
星歴13夜が、5月12日に2ndフルアルバム『MythEpoc』をリリースした。Myth=神話、Epoc=時代を意味するタイトルが込められた本作は、2019年1月に1stシングル『おやすみ未来と恋乙女』でデビューした星歴13夜の「これまでの歩み」と「これからの物語」を感じられる1作になっている。
今年3月、園ほまれの体調不良による活動休止、そして浮あかねの突然の脱退と、大きな変化を迎えた星歴13夜。だが、色とわ、寝こもち、天まうるの3人が、再び歩み出した足取りは想像以上に力強く頼もしい。3人がいま感じていること、そして『MythEpoc』に収録された全曲の聴きどころについてたっぷりと語ってくれた。(佐藤結衣)
第二章の星歴13夜を見せられるんじゃないか
ーー『MythEpoc』、完成してみていかがですか?
色とわ(以下、とわ):1stアルバムではつかなかったタイトルだろうなと思っています。今まで私たちが歩んできた道のりというか、「これが今の星歴13夜なんだぞ」というアピールになっているかなって。
天まうる(以下、まうる):今までのシングル作品は、その時々の私たちのベストっていう感じだったんですけど、このアルバムは今を切り取っただけじゃなくて、今までを全部切り取って見せているような感じがしています。デビューして2年ちょっと、濃い時間を過ごしてきたと思っているので、感慨深くて、いろんな気持ちになることができる作品だと思います。
寝こもち(以下、こもち):プラスして、星歴13夜の新しい姿というか、第二章の星歴13夜を見せられるんじゃないかなって。今回ラップが入った曲もやってみたり、今までになかった曲にもチャレンジしてみたり、新しい挑戦がたくさん入っているので。
グループの変化を経て進化していく「Romantic Escape」
ーー既存曲への想い入れと、新しい曲の魅力についてお聞きしてもいいですか?
こもち:M1の「Romantic Escape」は、まうるのことを考えてGESSHI類さんが作詞してくれた曲なんですけど、これを5人でライブでやっていた時と、今3人でやっている時とでは、厚さが全然違うんです。これまではどちらかというとキレイに見せようと表現してきましたが、今はアツい曲、心の底からグッとくるような曲になっていて。やっぱりグループの変化を経て、曲って進化していくんだなって感じられたのが「Romantic Escape」でした。
まうる:実は、「Romantic Escape」という曲をもらった時、個人的に辛いというか、いろんな葛藤を抱えてる時期でした。強く正しくありたい理想の自分と、そうじゃない弱くてダメな自分......理想と現実のギャップに葛藤を抱えていて、その時期にちょうどきた曲だったので、聴いた時、気づいたら泣いていたんです。星歴13夜の曲の中でも、特に思い入れの強い曲ですし、こもちが言ってくれたように、こんなにも想いによって幅が生まれる曲なんだっていうのを実感しています。曲って一度作られたら、ずっとその形を維持するものだと思っていたのに、どんどん変わっていくのが面白いし、愛しい気持ちになります。
ーー特に感情が揺さぶられるところはありますか?
まうる: 1番のサビですね。
こもち:一緒!
まうる:自分一人じゃなかったんだ、知って見ていてもらえたんだと認めてもらえたような気持ちになるので。今でも聴くと涙が溢れてきます。あと、ライブで泣いてしまうのは、最後の〈意気地なしでごめんね 怖くて仕方なかった〉のところで。
とわ:そこはいつももらい泣きする。
こもち:みんなボロボロ泣いてるみたいな感じだよね。
まうる:そうなんだ。
こもち:え! そうだよ!
まうる:知らなかった(照)。
こもち:もー、影響力すごいんだから。
新しい星歴13夜を象徴する「Shilly Shally」
ーーでは、続いてM2「Shilly Shally」ですが、とわさんが作詞をされていますね。
とわ:以前、ソロ曲では作詞をしていたんですが、星歴13夜の曲を手掛けるのはこの曲が初めてで。よく、こもちが「新しい星歴13夜が始まった感じがする曲」みたいに言ってくれてて、私もそれを言われてから、ひしひしとそう感じている曲です。まず、メンバーが作詞をしているというのも新しい流れであるということと、曲調としても今までにありそうでなかったテイストで。振り付けも新しい要素を入れてみたりと、全体的に挑戦に振り切った曲だと思うんです。歌詞がすごく詰まっていて、歌うのが結構大変なんですよね(笑)。
ーー確かに。聴いていると、音と文字数にズレがあるというか。引っかかる感じが面白いなと思いました。
とわ:そうなんです。先に曲をいただいて聴いたときは「ん?」って、びっくりしました。家で何回も「ん?」となって、もう1回聴いて「ん? なんだこのリズムは?」って思いつつ、当てはめていくのがパズルみたいで楽しかったです。一番難しかったのは時系列を乱さないようにすることでしたね。今までの星歴13夜の曲を見ていると、ちゃんと1番から2番へ物語がつながっていくのを感じたので、それを崩したくないなと思いました。
ーー他の曲とのバランスの良さというか、これまでの星歴13夜っぽさのトーンが調整されている感じがしました。
とわ:そう言ってもらえると嬉しいです。1月3日のヒューリックホール東京のライブで、誰が作詞したとか言わず、ただ星歴13夜の新曲として初お披露目したんですけど、誰も気づかなかったですからね。「しめしめ、気づいていないぞ」ってニヤけました(笑)。
こもち:それ狙ってできることじゃないと思うから、本当にすごいと思う。
まうる:さすがです!
とわ:え、なんか両サイドからすごい持ち上げられて、ちょっと恥ずかしいんですけど! 当時、歌詞を書いて「これなんだよね」って見せた時も、超褒めてくれて。そういえば振り付け作ったのもこの3人で、すごい爆笑しながら作ってたんですよ。「不可思議な感じだから宇宙人っぽいダンスにしよう!」「変な動き、入れちゃえー!」って(笑)。今までだったら「そんな動き可愛くないよ」って入れなかったような動きをどんどん入れてみて。
こもち:ガニ股になってみたりとかね!
とわ:そう、そのままバタバタさせてみたりとか。初めてのことだったんですけど、私たちがやったら可愛かったです(笑)。