新しい地図の3人に襲いかかったコロナの猛威 相次ぐ“中止”を乗り越えながらも伝えるメッセージ
「いっしょにがんばりましょう」とは、この1年以上稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾がNAKAMAに向けて、かけ続けてきた言葉だ。
5月7日、政府は東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発令中の緊急事態宣言を5月31日まで延長。さらに愛知県、福岡県を5月12日より対象地域に加えることを決定した。
新型コロナウイルスによる感染拡大を受けて、7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)を対象に最初の緊急事態宣言が発令されたのは、2020年4月7日のこと。その日の東京の新規感染者数は87名だった(※1)。ちなみに、2021年4月7日の東京の新規感染者数は555名。さらに、5月9日には全国で7000人を突破(※2)。各地で過去最多となる発表が相次いでいるというから、やるせない。
実に1年以上もの間、私たちは「不要不急の外出自粛」「3密回避」「ステイホーム」と言い聞かせ、以前とは異なる生活を続けてきた。マスク越しで伝わりにくくなってしまった人々の表情。ビニールのカーテンやアクリル板越しで通りにくい声かけ。握手やハグなども消えた、ぬくもりのないコミュニケーション。人と繋がることができなくなったコロナ禍は、すぐに私たちの心を殺伐とさせた。
社会を維持するために現場に立ち続けた人たちが疲弊していく姿に心を痛め、苦しい状況に追い込まれた店舗などを眺めながら無力感に打ちひしがれた。二度と戻らない青春の日々を失った若者の涙に胸がつまり、家族の危機にも駆けつけることができないもどかしさに憤りをおぼえたことも。
本来であれば、日常のささくれた心を癒やしてくれるはずのエンターテインメント。だが、このコロナ禍では、その心の救いであるエンタメさえも立ち止まらざるを得ない状況になってしまう。そして新しい地図も、その厳しい判断に何度も直面してきた。
昨春、開催予定だった『NAKAMA to MEETING_vol.2』、及び香取がさいたまスーパーアリーナのステージに立つはずだったソロライブ『20200429 PARTY!』の全公演中止を発表。他にも、3人がパラサポ(日本財団パラリンピックサポートセンター)のスペシャルサポーターとして盛り上げてきた『パラ駅伝 2020』も中止になり、草なぎ剛が出演したドラマ『家族になろうよ~犬と猫と私たちの未来~』(NHK BSプレミアム)は番組変更がされ、ゲストの生出演も見送りとなった。
さらに、草なぎの主演舞台『家族のはなし PART1』は昨年全公演が中止(今年『家族のはなし PART1 2021』として5月14日より上演開始予定)、今年4月末より上演予定だった稲垣の主演舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』も東京公演の一部が中止に。そして、さいたまスーパーアリーナから明治座へと移り、満を持して開催した香取のソロステージ『さくら咲く 歴史ある明治座で 20200101 にわにわわいわい 香取慎吾四月特別公演』もラスト3公演が中止となり、千秋楽は生配信での無観客ライブにて対応した。
彼らがあまりにもスマートに対応してきたから、まるで何もかなかったかのように思われてしまうが、大きなトピックだけに注目してみても、これだけ多くの変更を余儀なくされた1年だった。
その「中止」や「延期」の文字の向こうには、チケットを握りしめて楽しみにしていた人たちの、そしてどうにかイベントを成功させようと奔走してきた人……多くのNAKAMAの残念な気持ちが確かにあったのだ。もちろん、表現者にとって準備してきたステージの幕を上げることができない悔しさも計り知れない。