石井恵梨子のチャート一刀両断!

NCT 127、“愛”がテーマの新作でチャート首位に 前作からセールス伸ばした要因は?

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2021-03-01/

 書き出しが前回の完全コピペですが、K-POPの勢いが目立つ今週のチャートです。1位はNCT 127『LOVEHOLIC』、そして2位にはBTS『BE』が再浮上。どちらも数字がすごい。BTSは9.6万枚、NCT 127は13.3万枚ですよ。3位以下が1万~5千枚台のセールスであるのを見ると、なんかもう次元が違う。もちろんここにはサブスクの存在もあるわけで、購買層だけで13万人以上、実質のリスニング層はその何倍となるのでしょうか。

NCT 127『LOVEHOLIC』

 もっとも、わからない人にはBTSもNCTも記号のようですから、まず首位のNCTグループについておさらいを。5年前にスタートしたNCTは、“ネオ・カルチャー・テクノロジー”の頭文字を名前に冠した大所帯アイドルグループで、最大の特徴は「活動するグループ」や「メンバー数」の制限がないことでしょう。固定メンバーが互いに理解や絆を深め、カラーやキャラ分けによってそれぞれを引き立て合っていくーーそういうアイドルの成長物語をいきなりナシにしてしまったのは、東方神起やSHINeeを輩出してきたSMエンターテインメントの「次の一手」という感じがします。

 所属するイケメンたちの中から、楽曲のコンセプトに合わせて毎回メンバーが入れ替わる。それがNCTのスタンスで、手法としては別段新しくもないかもしれません。ジャニーズJr.内のユニットとかAKBグループの総選挙とか、そういう入れ替え制は我々もよく知るところ。ポジションが流動的であるがゆえに切磋琢磨でき、またファンの推しパワーも強まっていく。そんな効果もあるでしょう。

 では、どうしてNCTが「次の一手」に見えるのか。それはメンバーの国籍があまりにも豊かなこと。韓国、中国、日本、香港、台湾、タイ、マカオ、アメリカ、カナダと出身地は見事にバラバラ。K-POPのカテゴライズではありますが、韓国をローカルと捉えないアジアングループと書くのが正解ですね。数字の“127”はソウルが東経127度線にあることに由来しますが、別に場所の縛りがあるわけではない。メンバーには日本国籍のユウタ、カナダ国籍のマーク、アメリカ国籍のジャニーらが在籍しています。

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