稲垣吾郎、グラデーションを楽しむ人生 ラジオでの発言から感じた、矛盾すら受け入れる力とは?

稲垣吾郎
稲垣吾郎

 SNSで花のある生活を楽しむ様子を発信している稲垣吾郎。昨年に発売されたフォトエッセイのタイトルにも『Blume』(ブルーメ)と、ドイツ語で“花”を意味する言葉を用い、稲垣の生活にとっていかに花が欠かせないかが伝わってきた。だが、17歳のころの稲垣は「花が好きではなかった!?」という疑惑が、ラジオ『編集長 稲垣吾郎』(文化放送)2月17日放送回で持ち上がる。

 きっかけはリスナーから送られてきた一通のメールだ。17歳の稲垣が登場した雑誌のインタビューで「花を見てキレイだとは思うけどね。男ってあまり花に興味はないから。お母さんや好きな人にあげるときぐらいしか、花を買おうなんて思わないんじゃないかな。お花を自分のために買うなんて、ちょっとやばいヤツなんじゃない?」とコメントしていたというのだ。

 今の稲垣からは想像できないような内容に、どのようなリアクションを見せるのかと思いきや「もう(花が)好きな片鱗は隠れていますよね。あえて好きだけど、ちょっと逆をいってますよね。嘘インタビューですね(笑)」と軽やかに笑ってみせる。

 稲垣の分析によると「お母さんや好きな人にあげるときぐらいしか、花を買おうなんて思わない」と言っている時点で、すでに「大切な人には“花”」という考え方が17歳なりに確立されているというのだ。にもかかわらず、嘘インタビューになってしまったのは、「まだ自分のために買うということに対する照れがあったのかな」とも。

 要は意識をしていたかどうかだったようだ。我慢をして本当は好きなのに隠していたわけでもなく、単に自分のために買うほど好きかどうかを自覚することができていなかっただけ。記憶を紐解けば、20歳のころにはすでに花柄のシャツなど花のモチーフが好みだったことを考えると、当時から潜在的に“好き”という気持ちがあったはずだ、と続ける。

 そこから部屋に花があるのが当たり前の景色になったのは、30歳のころ。特別なきっかけがあったわけではなく、徐々に“好き”が顕在化してきたようだ。周囲には花に詳しい人も増えていき、行きつけの飲食店で美しいアレンジメントが飾ってあるフラワーショップを紹介してもらった……そんな嬉しい出会いたちも、少しずつ変化していった要因のひとつだった。

 「面白いですね、こうやって振り返ってみると」と続けた言葉に、改めて“稲垣吾郎らしさ”を感じた。現在の感性とは真逆なコメントに、本来なら「変わってしまった」と過去との断絶を感じるものだが、稲垣の中にはたしかに連続したグラデーションが感じられるのだ。

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