SixTONES、『僕が僕じゃないみたいだ』は“第2章”のスタートに 収録曲のポイントを解説

SixTONES『僕が僕じゃないみたいだ』

 SixTONESの4枚目となるシングル『僕が僕じゃないみたいだ』が2月17日にリリースされた。メンバーの松村北斗と森七菜のW主演となる映画『ライアー×ライアー』(2月19日公開、原作・金田一蓮十郎、監督・耶雲哉治)のグループ初の映画主題歌にもなっている。これまで発売されたどの楽曲にもない新境地に挑戦し、SixTONESの可能性の幅をさらに広げることとなった新曲はじめ、シングル収録曲の魅力について考察したい。

鮮やかに期待を裏切る王道ポップチューン「僕が僕じゃないみたいだ」

 2020年、衝撃的なデビューを飾った1stシングル『Imitation Rain/D.D.』に続き7月には2ndシングル『NAVIGATOR』、11月には3rdシングル『NEW ERA』をリリース、続いてリリースされた初のアルバム『1ST』まで全てオリコンウィークリーランキング1位を記録。“破竹の勢い”をリアルに体感させてくれたSixTONES。これまでクール/ロック/エッジといったイメージの強かった6人が次に挑戦したのはこれまでになかったポップセンスを強く押し出したラブソングだ。SixTONESが持つ音楽の多面的な魅力を余すところなく表現した『1ST』に続く今作は、期待を裏切ることなく、むしろ遥か上を超えた秀作と言える。1つの大きな挑戦は“踊らない”という選択だ。リリースに先駆けて公式YouTubeチャンネルで公開されたMVでは、幻想的な鏡を使ったセットの中で白い衣装に身を包んだ6人が様々な表情で〈また君に嘘をついた 自分を飾って誤魔化した Ah 美しくいたいと思うほど 君が遠くなっているのはどうして〉と狂おしい思いを切ない恋心に乗せて歌い上げている。

SixTONES - 僕が僕じゃないみたいだ (Music Video) [YouTube Ver.]

 映画で描かれる“ウソから始まる、ありえない恋”の内容とリンクするように、自分が自分らしくいられないもどかしさを“ウソ”で繕う男心を表現した同曲。実は『1ST』の制作段階ではあえて入れず、アルバムでバラエティ豊かな楽曲を表現した上で、今作の橋渡しになる流れにしたという仕掛けだったようだ(参照:『Talking Rock!』2021年3月号)。

 これまでのワイルド、クールといった印象の強かったSixTONES。アルバムで多彩な表情を見せ、ファンを驚かせたかと思えば、今作ではまたもや鮮やかに予想を裏切り、映画のストーリーを踏襲する“キュン”な王道ポップチューンを披露した。しかしこれは決してイメージチェンジなどではなく、あくまでも“SixTONES”というカテゴリーの中の一部分に過ぎない。彼らにはまだまだ数えきれないほどの引き出しが隠されているに違いないのだ。

SixTONES – 僕が僕じゃないみたいだ nonSTop digeST

「Strawberry Breakfast」

 初回盤Aに収録されている「Strawberry Breakfast」はタイトルから想像できるようにとびきりおしゃれでポップなラブソング。〈主演女優賞をあげる Just for you 何気ない日々のすべてが名作に生まれ変わる〉など胸アツな歌詞と80年代を思わせるビートはモチベーションをアップしたい朝にぴったりな楽曲となっている。

「Bella」

 初回盤Bに収録の「Bella」。“ベーヤ”とはスペイン語で“美しい”という意味。本場のレゲトンにエキゾチックなテイストを加えブラッシュアップしたディープなナンバーをSixTONESの艶のある歌声でセクシーに昇華させている。大人の色っぽさ全開でファンの間で人気の高い「RAM-PAM-PAM」を彷彿とさせ、ライブでのパフォーマンスも楽しみな楽曲である。

「Call me」

 通常盤に収録されている「Call me」は切ない恋心を全編英語詞で歌ったクールでトロピカルなR&B。6人の安定感のある歌唱力で聴かせる大人のエモーショナルでメロディアスなラブソング。SixTONESの6人がカテゴライズにとらわれず自由に楽しんでいこうという意気込みが伝わってくるようだ。

「NEW ERA(Japanized  Rearrange)」

 疾走感溢れるエモーショナルなラウドロックの3rdシングル曲「NEW ERA」の“和“の世界観にフィーチャーしたJapanized  Rearrangeバージョン。筝、十七弦、津軽三味線、和太鼓などの和楽器の生演奏とコラボすることで、楽曲の持つ力強さがより際立つ荘厳な作品に仕上がっている。世界を見据えたSixTONESに相応しい迫力あるリアレンジが完成している。

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