コンビニ愛満載の「Famima Rap」バイラルチャート首位に ファミチキ、柿の種......ユーモラスなサンプリングと普遍的な歌詞

 トラックを聴いて真っ先に耳を奪われるのは、お馴染みのファミリーマートの入店音。聞き覚えのある入店音のメロディは、ファミマの自動ドアをくぐる日常の一瞬をリアルに切り取って想起させる。トラックに込められた遊び心は入店音にとどまらず、リリックと呼応してファミチキの包み紙を開封する音や、柿の種のパッケージを振る音、ストロングゼロの缶やC.C.Lemonのボトルを開ける音などのサンプリングも粋で面白い。リリックに目を向けると〈ファミリーはLife 今 いつも/だからファミマに行くぞ/世界まわって帰る どこ行く home?/これはファミマに行く flow yeah〉と繰り返されるフックでは、ファミマに限定したテーマから「ファミリー」や「世界を飛び回る夢」といった普遍的なテーマに広がりをみせ、この飛躍が遊び心に根ざした楽曲に深みを与えてくれている。

 Matt Cabは本楽曲について「日本のコンビニは本当に最高だと思う。毎日24/7、みんなの生活に寄り添ってくれていることに感謝している」(引用:Matt Cab アーティストHP)とコメントを寄せ、コンビニに対する感謝を表している。リスナーとしては、コンビニと同じくらいの親密度で我々の日常生活に寄り添ってくれる素晴らしい本楽曲に感謝を贈りたい。

■Z11
1990年生まれ、東京/清澄白河在住の音楽ライター。
一般企業に勤務しながら執筆活動中。音楽だけにとどまらず映画、書籍、アートなどカルチャー全般についてTwitterで発信。ブリの照り焼きを作らせたら右に出る者はいない。
Twitter(@Z1169560137)

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