SARD UNDERGROUNDが受け継ぐ坂井泉水の遺伝子 “ZARDチーム”集結した新曲「ブラックコーヒー」から始まる新たな物語

 2021年2月10日、3rdシングル『ブラックコーヒー』をリリースするSARD UNDERGROUND。坂井泉水の未公開詞をもとに制作されたシングル曲「少しづつ 少しづつ」「これからの君に乾杯」をはじめ、坂井泉水の詞を歌い、伝え続けてきた彼女たちだが、今作では初めて、ボーカルの神野友亜が作詞を担当している。

 作曲は「少女の頃に戻ったみたいに」(『運命のルーレット廻して』カップリング収録)、「Get U’re Dream」「星のかがやきよ」「夏を待つセイル(帆)のように」など、ZARD後期の名曲を生み出した大野愛果が担当。編曲には、ZARD、SARD UNDERGROUNDの生みの親であるプロデューサーの長戸大幸も携わっている。

 また、ZARDのCDジャケットをはじめアートディレクション、デザイン全般に関わってきた鈴木謙一も参加。これまで、ZARDをオマージュした忠実な再現ジャケットも話題になったSARD UNDERGROUNDだが、『ブラックコーヒー』のジャケット写真は、空と海の青が眩しい鮮やかな色使いが印象的。彼女たちの瑞々しい魅力に溢れている。

 大野、長戸、鈴木……再集結したZARD制作陣が、SARD UNDERGROUNDの新たな表現をバックアップする。

 ZARDを後世に伝えるトリビュートバンドとして、2019年9月18日、1stアルバム『ZARD tribute』でデビューしたSARD UNDERGROUND。2020年10月7日にリリースした2ndアルバム『ZARD tribute Ⅱ』では、バンドとしての成長を感じさせた。忠実に、ときに現代風のアレンジを加えた瑞々しいサウンド、坂井泉水をオマージュした歌唱。神野友亜(Vo)、杉岡泉美(Ba/Cho)、赤坂美羽(Gt/Cho)、坂本ひろ美(Key/Cho)の4人は、その存在とパフォーマンスを通じ、ZARDを知らない世代にも、ZARDの魅力を伝え続けている。

SARD UNDERGROUND 「ブラックコーヒー」First edition movie

 そんなSARD UNDERGROUNDにとって初のオリジナル曲「ブラックコーヒー」。ノスタルジックなミディアムバラードに乗せ、恋心が丁寧に描かれる。神野が、まだ20歳の心の内をしたためた。

 五感に訴えかける具体的な描写、誰もが共感するエピソード、 1曲のなかにも時間の流れを感じる物語性。恋する一瞬一瞬を大切にしたいと、心のシャッターを切るような歌詞だ。等身大でありつつ、年齢を重ねても共感できる丁寧な言葉選びに、坂井からの影響が垣間見える。

 優しく始まるイントロから、サビへ、2番へ、終盤へと展開されていく絶妙な音の足し引きにより、4分12秒の楽曲はあっという間。流れるようでいて、あたたかな余韻を残す。ごく短いのだが、メロディアスな間奏はZARD世代にもグッとくるはずだ。しっかりと主張し、歌いあげるギターサウンドに、どこか懐かしさを感じる。

 ボーカルは、歌い出しから「初めて聴く声」。神野のまろやかな声の深み、ぬくもりが際立つミドルの音域では、これまでにない“揺らぎ”が、楽曲の世界観を表現する。サビの高音域では、切なさ、願う心、恋する主人公の心情がありありと伝わる。

 特筆すべきはコーラスワーク。「ブラックコーヒー」というタイトルから連想するほろ苦さを、美しいコーラスワークで表現している。〈ブラックコーヒー〉という歌詞でちょうど重なってゆく声が、なんというかズルいのだ。