IZ*ONE、グループ誕生から現在までの歩み 第2回:待望のデビュー、そしてスターダムへ
日本のファンはどう見ていたのか。SNSを見る限り、1作目『COLOR*IZ』のサウンドとビジュアルイメージを新鮮に感じたという声がほとんどだった。特にリードトラック「La Vie en Rose」でのムーンバートンを取り入れた哀愁のサウンドメイクは、多くの人にとって予想外だったはずである。メンバーも同様だったようで、宮脇は日本の雑誌のインタビューで「『PRODUCE 48』で最終選抜されたメンバーを見て、カワイイ雰囲気だなって思っていました。可愛らしい曲で、可愛らしくデビューすると思ったんです」(『MUSIC MAGAZINE』増刊『K-POP Girls』より)と答えている。
『COLOR*IZ』はその他の収録曲も力作ばかりだ。オープニングを飾る「美しい色(Colors)」は、メンバーそれぞれが持っているカラーと魅力をこれからしっかりアピールしていくと爽やかに宣言する。「秘密の時間(Memory)」は友情をテーマにしたバラードで、12人のボーカルの特徴がわかるデビュー作ならではの1曲と言えよう。
また、『PRODUCE 48』の選抜過程で使用した「好きになっちゃうだろう?」や「夢を見ている間」などの4曲がIZ*ONEの歌唱バージョンで収められている点も見逃せない。中でもチョ・ユリや本田仁美をはじめ、有力なメンバー候補だった竹内美宥などの奮闘が印象的だった「これから よろしくね(We Together)」を聴くと、同番組を観ているときの感動がよみがえってくるようだ。
このように充実した内容のおかげで、IZ*ONEの記念すべき1stミニアルバム『COLOR*IZ』は、K-POPガールズグループのデビューアルバム歴代初週売上数のトップに。さらに「La Vie en Rose」が韓国の音楽番組で1位に輝き、日本でも輸入盤が記録的なヒットになるなど、早くも大物ぶりを見せつけた。 デビューしてからわずかの期間でスターダムにのし上がった彼女たち。その人気は2019年に入っても衰える気配はなく、活動の場所はさらに広がっていく。
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■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を開始。『ミュージック・マガジン』など専門誌を中心に寄稿。『ジャズ批評』『韓流ぴあ』で連載中。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著も多数あり。