乃木坂46の躍進とともに、齋藤飛鳥という名の存在がより知られていくと、ほか番組でもバナナマンとの関係性がクローズアップされていく。『おしゃれイズム』（日本テレビ系）に齋藤が単独で出演した際には、バナナマンがコメントVTRで登場。「ネガティブでダークでSっ気がある」という最高のパスで、スタジオ陣に可愛い妹を紹介している。

　齋藤がバナナマンのライブTシャツやラジオで制作した「日村結婚記念Tシャツ」を着てメディアに出演するのも、彼女の愛情表現の一つだ。昨年、リモート期間中に放送された『乃木坂工事中』の企画「齋藤飛鳥が選ぶ『私の神回』」では、バナナマンの2人がBOØWYの「B・BLUE」などを急に歌い出すシリーズをチョイスしていた。「メンバー＆バナナマンが選ぶ『乃木坂46ベストヒット歌謡祭』」の企画では、設楽が映画『映像研』の主題歌である「ファンタスティック三色パン」が好きだと話しつつも「気づいたら片想い」が一番というトークに、齋藤が「えー！　三色パンは～？」と画面いっぱいに身を乗り出し、日村が思わず「今、可愛いかったね」とニヤつく一幕も。今回、『バナナムーン』で齋藤が出演する前に行われた「曲対決」で、設楽が「ファンタスティック三色パン」を選んでいるのも、そういった経緯を考えると粋な選曲である。

　『バナナムーン』オンエア内では、相変わらずのミステリアスキャラを醸し出しつつ、バナナマン2人の誕生日を覚えていたりと番組を大いに盛り上げた齋藤。乃木坂46のファンだけでなく、ラジオの“下リスナー”をも喜ばせたのは、「歯の話」「時が過ぎるのは早い」「下ネタ」という『バナナムーン』を構成する3大トークを端的に説明しただけでなく、番組ラストに「今度は『ヒロメネス』とか、いつもの企画に参加したい」と“上リスナー”代表としてこれ以上ないコメントを残したことだろう。この齋藤とバナナマンが交わした約束が、今度はスタジオ出演として叶う日が来ることを願いたい。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター／編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter