『Dear My Friend feat.Pentatonix』インタビュー

Little Glee Monster、Pentatonixとのコラボで伝える距離を越えた“つながり”「世界中の人に歌ってもらえる曲になってほしい」

「Sukiyaki Song」みたいにみんなが歌える曲に(かれん)

ーーレコーディングはどのような形で進めていったんですか?

manaka:(作詞・作曲の)亀田誠治さんが作ってくださった、楽器演奏に入ったデモ音源に私たちが仮歌を入れて、そのデータをPentatonixに送って。それにPentatonixが歌やボイパを入れた音源が戻ってきたとき、曲がより輝く形に進化したことに感動したんです。「声だけで1曲が作られているんや!早く聴いてほしい!」というワクワク感を、早く皆さんにも感じてもらいたいって思いましたね。

ーー最初は楽器演奏の音が入っていたんですね。それがここまで進化するって、単純にすごいことだなと思いました。亀田さんとレコーディグに際してどんなやり取りをしましたか?

かれん:仮歌を入れるときは亀田さんが立ち会ってくださって。録りながらディレクションもしてくださったので、どういう思いでこの曲を作ったかも伺いました。

ーーそれはどういうお話だったんですか?

かれん:世界中がコロナ禍ですごく大変なときだから今こそ皆さんに届けられる、「Sukiyaki Song」(坂本九「上を向いて歩こう」)みたいにみんなが歌える曲になったらいいなと思って作った、と言ってくださったんです。なので、私たちがいる日本とPentatonixがいるアメリカとで一緒に活動することによって、世界中のいろんな人に聴いていただける機会になったらいいなと私も思いました。

ーー実際、歌詞も比較的わかりやすい言葉で構成されていますものね。

かれん:そうなんです。それをPentatonixの皆さんも日本語で歌ってくれていて。すごくナチュラルな日本語で、まったく違和感がないですよね。

ーー歌入れの際、亀田さんから具体的なアドバイスは何かありましたか?

manaka:あまりなかったですね。「こうしたほうがいい」というよりは、「いいじゃん、いいじゃん!」って感じで温かく見守ってくださっていたので、すごく歌いやすかったです。亀田さんが思い浮かべていたイメージから外れた歌い方になっていなかったらうれしいですね。

ーーPentatonixのボーカルが加わった音源に対して、先ほどmanakaさんが「曲がより輝く形に進化した」とおっしゃいましたが、具体的にはどういったところに“より輝く”ものになったと感じたんですか?

アサヒ:全体的にすごく華やかになっていて、より温かい空気が流れる曲になったなと。最初に聴いたときは本当に感動しました。

manaka:「全然違う!」と思ったよね。自分たちがイメージしていたものと、いい意味でまったく違う音が返ってきて。Pentatonixはクラシックなアカペラだけじゃなくて、今海外でヒットしているようなポップスもアカペラで表現していて、独特なリズム感を持っていると思うんです。日本でも探せばこういうリズム感の持ち主はいらっしゃるかもしれませんが、アカペラのリズム感というのは聴いてきたものの違いや、生活する国の違いによっても大きく変わると思っていて。だからこそ、Pentatonixには自分たちにはないグルーヴやリズム感が備わっていて、それをアカペラで表現できるのは本当にすごいことだと思うんです。そういう私たちに足りない部分をPentatonixに補ってもらうことで、アカペラの良い部分が凝縮された形にできたんじゃないかと思います。

離れていてもつながっていることが感じられる(manaka)

Little Glee Monster manaka、アサヒ

ーーそういったリズム感やグルーヴ以外にも、Pentatonixから受けた刺激ってありますか?

manaka:私たちは女の子5人というのもあって、ビートボックスやベースでの凄まじさも全然違いますし、そのへんも刺激になりました。あと、レコーディングされた歌を聴いて「ここでビブラートを揃えているんだ」とか、そういう細かい技術が積み重なってPentatonixの歌は生まれているんだということも勉強できました。

ーービブラートにも違いがあるんですね。

manaka:自分たちが使うような言葉でも、発声の仕方が全然違いますし。

芹奈:もちろんその人ならではのこだわりもあると思いますが、歌っている者同士だからこそ気づく部分は本当に刺激になりますね。

ーーでは、リスナー目線で注目してほしいポイントはありますか?

アサヒ:Pentatonixがハモっている上で私たちもハモっているので、声の厚みはいつも以上だと思うんです。なので、それぞれの歌声をよく耳を澄ませて聴いてほしいですね。

MAYU:アカペラだからこそ、このわかりやすい歌詞がより入ってきやすいんじゃないかな。さっきもかれんが言いましたが、この曲は今のこの状況下だからこそ生まれたもので、世界中の人に歌ってもらえれるような曲になったらいいなとは、すごく思っています。

ーーPentatonixが参加しているという理由で聴いてくれる海外のリスナーも多いでしょうし、そういう人たちにこの日本語の曲がどう響くのかすごく楽しみですね。この曲はMVも制作されましたが、日本とアメリカそれぞれで撮影され、場所は別々だけど歌でつながっていることが表現された素敵な内容だと思いました。

manaka:日本とロサンゼルスという離れた場所ですけど、同じ場所で撮っているかのような不思議な感覚になりますよね。しかも、「みんな同じ空の下にいるんだ」と離れていてもつながっていることが感じられる、素敵なMVになったと思います。

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