櫻坂46「Nobody’s fault」MV考察 欅坂46の振付オマージュや渋谷を彷彿させるパートの意味は?

 特筆しておきたいのは、映像や楽曲の振り付けの中に様々な欅坂46へのオマージュが込められている点だ。振付を手掛けたのは、欅坂46結成からグループに寄り添うダンスを考案し、メンバーの心の支えでもあるTAKAHIRO。振付において最も象徴的なポイントは、「二人セゾン」を彷彿とさせる菅井と田村保乃が背中を合わせカメラに指を向けるポーズ、「語るなら未来を」にもあった口元にサイマジョポーズを持っていく仕草。さらに大サビでは森田一人からだんだんとカメラが引いていき、メンバーがスクラムを組む様子が映し出されるが、しがらみを表現した「アンビバレント」を思い出させるのと同時に、一人ひとりの鋭く真っ直ぐな眼差しからはテーマにも通ずる自由を求める姿と絆を強く印象付ける。

櫻坂46 『Nobody’s fault』

 映像面では、ラストに登場するメンバー一人ひとりのソロショットを次々に映していく演出。バックは激しくピンボケしているが、その華やかで見慣れた風景は渋谷。欅坂46の始まりの地であり、櫻坂46にとってもまた改名を発表した始まりの地でもある。センターを務める森田のバックに映るのは、その改名が発表された渋谷駅前の街頭ビジョンらしき場所。その一人ひとりの演出と桜が舞う中ラストに森田が坂を駆け上がっていく場面で飛び込んでくる「櫻坂46」という文字は、「サイレントマジョリティー」を踏襲したものであろう。

 これら多くのオマージュから感じられるのは、櫻坂46が欅坂46という坂の続きであるということ。過去を否定するのではなく、どんなに困難で曲がりくねった坂も、花吹雪が舞う輝く未来に繋がっているのだと伝えている。先述したインタビュー、そして今回のMV公開に際しメンバーがブログに綴っているのは、「愛されるグループ」「満足のいく幸せな活動」という言葉。坂の先に広がっているのは、メンバーにとっての幸せな未来であることを願って。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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