藤井隆主宰<SLENDERIE RECORD>が届けた“笑い”と“ダンスミュージック” 『SLENDERIE ideal』発売記念ライブを観て

 川島は本作のためにテナーサックスを持って登場。プロジェクト「tenor ch」を通してテナーサックスの練習を重ねてきた川島は、遠目からでも伝わるほどに緊張した佇まいで、自身の楽曲「where are you」を演奏。観客から拍手が湧くと「泣くからやめてください……」と反応し、続けて「若者のすべて」を歌唱した。

川島明(©1990, 2020 SANRIO CO., LTD.)

 個人的に『SLENDERIE ideal』で一番驚いたのは川島の声だった。「where are you」と「若者のすべて」では、いずれも高いキーで歌われている。その声からは、川島の内にあるピュアさ、実直さが伝わってくる。すっかりあの低音ボイスを活かした楽曲がくるのかと思っていた筆者は「こんな魅力が川島さんの歌声に……」と強く感動したのだ。ライブでは、その実直さがよりダイレクトに伝わってきて他の曲も聴いてみたいという気持ちにさせられた。

 続けて藤井の「14時まえにアレー」、藤井と後藤による「NEO POSITION」(作詞・作曲・編曲:ARAKI)、早見優の「Right Here, Right Now」(GIORGIO MORODERの同名曲のカバー/編曲:冨田謙)が披露されていく。やはり、早見の妖艶さを纏った歌唱や振付はさすがの一言。その時々の自身の魅力を把握し、それに合わせてアップデートさせているかのよう。その堂々としたパフォーマンスは、思わず前のめりになってしまうほどに惹きつけられるものがあった。

 こうして振り返ると、各アーティストたちの魅力を最大限に引き出している藤井の手腕に改めて驚かされる。また、MCが細かく挟まれているところからは、観客をトークで楽しませる気概も感じられた。あれだけ緻密な楽曲ばかりが揃っている中で、しっかり笑いも提供していく。そのギャップもかっこいい。奇を衒うわけでなくごく自然に“お笑い”と“ダンスミュージック”が交わりあった藤井隆が手掛けるエンターテインメントに痺れる。早くも次なる<SLENDERIE RECORD>の作品が楽しみになった。

■イベント情報
『「SLENDERIE ideal」発売記念インターネットサイン会』
11月14日(土)19:00〜/フットボールアワー・後藤輝基、椿鬼奴
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11月21日(土)18:00〜/麒麟 川島明、椿鬼奴、とくこ
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11月22日(日)20:00〜/暗黒天使、藤井隆、レイザーラモンRG
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『「SLENDERIE ideal」発売記念“対1オンライントーク会”』
スマートフォン・タブレット用アプリ「withLIVE」を使って、暗黒天使、藤井隆の2人とオンライン上で“面と向かって直接お話しいただけます!
11月22日(日)15:00〜
【出演】暗黒天使、藤井隆
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SLENDERIE RECORD公式HP

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