「NIGHT ON THE PLANET –Broken World-」インタビュー

大森靖子の“言葉”に対する意識 全編英語詞に挑んだ経緯、独自のファッション観も明かす

「この服、私しか似合わなさそう、他に誰が着るの?」みたいな服を買う(笑) 

ーーいい話ですね。で、突然ですが、編集部からのリクエストで、今回は大森さんのファッションの話を「NIGHT ON THE PLANET」に絡めて聞こうという寸法でして。

大森:あはは!

ーー私が自分からファッションの話を聞くわけないじゃないですか……。

大森:でも、宗像さんの髪型は私にとって理想です。そのぐらいが一番ステージから見えやすい(笑)。

ーー最近、抜け毛が止まらないんですけど、この頭だと反射して見えやすい?

大森:その髪型で道重(さゆみ)さんのライブに行きたい。おじさまのオタクのほうがスター性が高いじゃないですか。

ーーあはは……そんな大森さんにファッションの話を聞こうと。どんなところがポイントでしょうか?

大森:できるだけ違う服を着たい。ライブの記憶ってその時の姿と一致するから、同じの着てるって思われたくないし。ライブを想定して買っているから、私服もそのままライブ衣装。だから道で出会ったファンに「そのまんま大森靖子なんですね」とかよく言われる。

ーーそれって究極的には毎日違う服を着るということになりますね。

大森:「また同じ服着てるよ、ピエール中野に服買ってもらえないのかよ」って言われて、「私が服を着替えないことが、ピエール中野が稼いでいないことにも繋がるんだ」って、それはなんか癪に障って(笑)。

ーーあはは。服を買う時は、店舗とネット、どちらが多いですか?

大森:ネットが多いけど、店舗にも行けるようになりました。「この店の店員さんは『かわいい』の波長が合う」と見極められるようになった。

ーー買う服の傾向はあります?

大森:「この服、私しか似合わなさそう、他に誰が着るの?」みたいな服を買う(笑)。被りたくないし、自分より似合う人がいるなら、その服を買う意味は絶対にない。だから「この子のほうが似合う」と思ったら速攻あげちゃいます、ZOCのメンバーとか。

ーー大森さんは縷縷夢兎をよく着ていますが、どんなところが好きですか?

大森:手数が多いところ。

ーー「きゅるきゅる」のMVのマジックミラー号は装飾も縷縷夢兎で、明らかに手数が多いですもんね。あのレベルの手数は、世の中にそう多くは存在しないんでは?

大森:でも、逆にそういう服って売れないで残っているんですよ。「柄柄柄!」みたいなやつ。そういうみんなが買わない服が好き。

ーーステージ衣装は、ソロとZOCで重視するポイントに違いはありますか?

大森:ないですね。どちらも曲に合わせて決める。ただ、ライブハウスの壁は黒いからあまり黒にしないことだけ気をつけている。存在が消えちゃうから。

ーーたしかに。アパレルの趣味が年齢とともに変化してきたところはありますか?

大森:大学生時代は本当に暗すぎて、「黒以外を着たら刺し殺される」って本気で思うくらいの醜形恐怖で。でも、外に出られるようになってからは好き放題ピンクや花柄を着るようになった。誰に何を言われても着よう、って。今、頭もピンクだし(笑)。

ーー初期から比べるとどんどん華やかになってきていますよね。コラボや物販の服はありましたが、アパレルブランドをやろうとは思いませんか?

大森:ない。服をクリエイトする人のほうが上手に決まってる。田中みな実さんが「メイク本、美容本は絶対に出さない。美容は美容家の人が発明したすごい財産で、私はただそれのファンで調べたりするのが好きなだけだから」みたいなことを言ってて。すごくかっこいいと思って。私も服を作れる人に対して、そういうリスペクトがある。

ーーレトロな服は好きですか?

大森:どちらかというと、今の人がその年代を考えて作った服が好き。「70年代風に作りました」って言われたほうがグッとくる。

ーー「NIGHT ON THE PLANET」のMV衣装はどんなものになる予定ですか?

大森:自分の着たいものを着たい。たぶん黒にすると思う。

ーーそもそもMVは、この記事の公開までにできあがるんですか?

大森:間に合えば(笑)。今まで一度もMVができてからインタビューしていないですもんね。でも、なんか月に1回話すペースがカウンセリングを受けているみたい。私、だんだん元気になってきてないですか?(笑)

ーー逆じゃなくて良かったです(笑)。次のアルバム『Kintsugi』の中では「NIGHT ON THE PLANET」だけ英語詞なんですか?

大森:アルバムでは日本語詞で、配信が英語詞なんですよ。

ーーどう海外に大森さんのリスナーを増やしていきたいですか?

大森:「世界のどこかにこういう奴いるかもしれないよな」みたいな気持ち。意外に日本よりもいるかもしれない。ニューヨークのモーニング娘。のライブに行った時、日本人から見たら外国人ってイケてる顔じゃないですか、だけど見るからにオタクのノリなんですよ、「○○ちゃ〜ん!」みたいな。「オタクってオタクなんだな」って(笑)。

ーーあはは。曲に反応してくれる海外の人はどれくらいいそうですか?

大森:クラスにひとりとか。「TikTokで流行っているからって大森靖子を知った気になりやがって」みたいな人の確率と同じくらいだと思う。

ーーそれ、50人のクラスに1人だとしても、地球上に70億人いるから1億人以上はいることになりますね。けっこう希望がある。海外進出の話がきたらどうします?

大森:日本に住んでいてもいいなら。日本でもしんどいし(笑)。

ーー地球上のどこにいてもしんどい?

大森:しんどい。Uber Eatsがある国ならいいけどね(笑)。

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■リリース情報
「NIGHT ON THE PLANET –Broken World-」
10月28日(水)デジタルリリース

5thアルバム
『Kintsugi』
発売:2020年12月9日(水)
<Red盤>
CD+LIVE Blu-ray+LIVE CD
価格:¥6,200(税抜)

ピヤホン+クリアポスター付き
※mu-moショップ限定販売
価格:¥8,473(税抜)

<47盤>
CD+LIVE DVD+LIVE CD
価格:¥4,700(税抜)

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価格:¥6,973(税抜)

<通常盤>
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価格:¥3,200(税抜)

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価格:¥5,473(税抜)

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