もう一曲、今度はNESMITHから始まる楽曲の例として「RAY」を挙げる。高揚を生むビートと壮大なポップネスが聴く人を前向きで明るい気持ちにさせるこの曲は、NESMITHの優しげな歌唱から始まる。持ち前の声質の太さや響きの深さが、この歌い出しの抑揚を抑えた息まじりの歌唱によって、大きく温かな包容力となっているのが印象的だ。そしてそこからメロディがグッと上昇するBメロでSHOKICHIのパートに移行すると、サウンドの変化も相まって一気に視界が開けたような感覚になる。さらにそこから二人の情感たっぷりの歌声で掛け合いが始まり、音色も豪華さを増していき、突き上げるような爽快感のあるサビに辿り着く。このようにそれぞれにパワフルで、個性の異なる二人の歌声による掛け合いは、まるでゴスペルやそれを起源としたソウルミュージックのように強いグルーヴ感があり、クセになる高揚を生むのだ。

　先に紹介した2曲も含めて数々の楽曲制作に携わってきたSHOKICHIは以前、「いろんな音楽から受けた刺激を、自分の音楽性に落とし込んで（中略）「音楽ってこんなに楽しいんだよ」っていうことを、皆さんに伝えていけたら」と語っていた（引用：リアルサウンド）。その言葉通り、先日の『LIVE×ONLINE』でも彼らは音楽ジャンルやグループ形態に制限されることなく自由に音楽を楽しんでいた。EXILE THE SECONDというのは、確かなキャリアを積んだ一流のプロ達が作り上げた“最高の遊び場”のようなものではないだろうか、と感じられた。

　LDHは9月19日から8日間にわたって有料配信ライブ第2弾『LIVE×ONLINE IMAGINATION』の配信が決定しており、EXILE THE SECONDはその3日目にあたる9月21日に登場予定である。第1弾よりもさらにグレードアップした完成度の高いエンタテインメントを提供してくれることだろう。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。『HIGH＆LOW』をきっかけに大ファンとなったTHE RAMPAGEを中心に、LDH所属アーティストについて研究中。
note

合わせて読みたい

・三代目 J SOUL BROTHERS 今市隆二＆登坂広臣、歌でグループを支える2人　「冬空」から考えるツインボーカルの特徴
・GENERATIONS、美麗なファルセットが印象的な数原龍友と甘く優しい声音の片寄涼太　「You & I」から考える“ハーモニーの美しさ”
・THE RAMPAGE 川村壱馬×RIKU×吉野北人、スリーボーカル編成の魅力　各メンバーの歌声の特徴も分析
・FANTASTICS 八木勇征と中島颯太、歌声のポイントやツインボーカル構成の魅力　「Flying Fish」から考察
・BALLISTIK BOYZ、各メンバーの歌声の特徴は？　「テンハネ -1000%-」ソロパートから分析