『虹プロ』や『PRODUCE 101』に続くオーディションに? 清水翔太が審査委員長務める『ONE in a Billion』への期待

Z世代特有の“自主性”を引き延ばすオーディション審査も

 では、オーディションに参加する側についてはどうだろう。今回対象となっているZ世代は、本来ならこの時代に夢を求めて社会に羽ばたこうとするタイミングだったはずだ。しかし、コロナ禍の影響で学校が休校になるだけでなく、進学や就職にまで影響を及ぼし始めている。これまで当たり前だったことが当たり前ではなくなった、そんな今に対して夢を追い求めることが果たして正しいのだろうか、そう悩む者も少なくないだろう。

 そんな若い世代に向けて、『ONE in a Billion』運営スタッフは『君を見つける。磨く。推していくオーディション。』というスローガンを掲げ、「コロナ禍で夢を諦めそうになっている人、自信を失いかけている人、立ち止まっている人の背中を押せるようなオーディションにしたいです」と今回のオーディションに対する思いを語る。と同時に、「目的意識が強く、自分のスタイルを重視するZ世代だからこそ、従来のダンス&ヴォーカルグループの概念に囚われない、新しいエンターテインメントグループが作れるのではないかと考えました」とも答えており、再び日本のエンタメ界を、さらには日本全体を元気にしたいという思いが伝わる。

 今回のNEXTシーズンで特に注目すべき大きなポイントとして、シンガーソングライターの清水翔太がオーディション審査委員長を務めることが挙げられる。清水は1stシーズンでも合宿審査にサプライズ登場したほか、ファイナルライブ審査では審査員を担当した経験を持つ。「今度のワンビリは最初から最後まで僕がご一緒します。本気の皆さんへ。本気で立ち向かいます!」と熱のこもったコメントを寄せる清水の審査委員長起用の狙いについても、「10年以上も日本の音楽シーンの最前線で活躍しており、常に新しいクリエイティブを提供することに挑戦してきた清水翔太さんだからこそ、新時代のエンターテインメントグループという視点で審査していただけるのではないか」と説明し、「前回、『ONE in a Billion』の合宿審査~ファイナルライブ審査において、候補者1人ひとりに対して非常に真摯に向き合い、的確かつ想いのこもった言葉を投げかけていた」その姿が運営スタッフの記憶に強烈に残っていたことから依頼したという。

 「前回はオーディションを通じて、候補者がどんどん成長して行く姿、そしてライバルの間に生まれた絆がドラマを作ったと感じています。今回はグループを結成するということで、より絆が大切になっていく」という今回の『ONE in a Billion』。応募者には「今ダンスや歌が得意じゃなくても、夢にかける想いや、誰にも負けない気持ちがあればぜひ挑戦してほしい」と、技術よりもまず熱や想いを求めており、運営側もその挑戦者の想いに応えるようにソニーミュージックだからこそ提供できる一流のスタッフによるトレーニング、レッスンの実施が予定しているという。

 1年前は想像もしていなかった世界へと激変した2020年、これからの日本を担っていくZ世代に、自分を表現することを諦めてほしくない……そんな熱いメッセージが伝わる『ONE in a Billion』から、今後どのような「新時代のエンターテインメントグループ」が誕生するのか。ここから始まる新たな物語を、ぜひ見逃さないでほしい。と同時に、「自分なんか……」と思い込んでいる若い世代にこそ、このオーディションをきっかけに生きるヒントを見つけてもらえたら……そう願わずにはいられない。

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

■応募方法
『ONE in a Billion』
募集期間:8月7日(金)正午〜9月23日(水)17時
公式サイトよりご応募下さい

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