BTS、新曲「Dynamite」ポップス的構成と変わらないメッセージを分析 全歌詞英語であるシンプルな理由も

 今回の楽曲の作詞作曲を担当したのはデビッド・スチュワートとジェシカ・アゴンバーで、Big Hitの制作陣やメンバーは参加しておらず、全歌詞英語だ。BTSのアメリカでのレコード会社はソニーミュージック系列のコロムビア。2人のソングライターは同じくソニー系列のソニーATVミュージックパブリッシングに所属している。K-POPや「メンバーが作詞作曲に参加」という点をアピールポイントにしているグループの場合、特に日本での活動における「日本語バージョン」「日本語オリジナル曲」等、「なぜ日本語(韓国語以外)で歌うのか?」という疑問はしばしば提起されてきた。筆者もつい先日「外国語で歌うK-POP」についての記事を執筆したばかりだが、その中で「韓国語以外で歌うことは日本に限らず他国でも普通にある(希求のある国ではその国の言葉で歌っている)」「K-POPの目指すところは何語で何人が歌ってもK-POPというジャンルを確立することなのではないか」と書いている。BTSの「Dynamite」はまさにこの通りのやり方であり、人気のある日本では日本の制作陣の作ったJ-POPらしい曲を日本語で歌い、同じく人気のあるアメリカでアメリカの制作陣が作った英語の歌を歌うというシンプルなことのように思える。

 「Dynamite」の歌詞を見てみると、

I’m in the stars tonight/So watch me bring the fire and set the night alight/Shining through the city with a little funk and soul/So I’mma light it up like dynamite
「今夜僕は星々の中にいるから/僕が火花で夜を照らすのを見ていてよ/ささやかなファンクとソウルでこの街を照らすよ/だから照らすよ(盛り上げるよ)ダイナマイトみたいに」

 という部分がある。“光”や“癒し”というテーマは、韓国語楽曲の「Mikrokosmos」や日本語楽曲の「Lights」など、過去さまざまな曲で繰り返し出てきたフレーズだ(参考)。「星の光」「街の灯り」「暗闇の中の光」「ダイナマイト」など、表現の仕方や言語は違っても、コアにあるBTSが伝えたいメッセージそのものに変わりはないということではないだろうか。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

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