米津玄師、2週連続バイラルチャート上位独占 最新作に並びランクインする『BOOTLEG』収録曲に再注目

 驚くべきはシングルカットされていないアルバム曲もしっかりチャートに食い込んでいることであろう。例えば「灰色と青」はしっかり10位にランクインを果たし、その存在感を示している。この楽曲は菅田将暉の客演がファンの間でも話題になり、そのクオリティはTV番組『関ジャム 完全燃SHOW』で、音楽プロデューサーの蔦谷好位置に2017年リリース曲のなかで「圧倒的な1位」と言わしめたほどだ。

米津玄師 MV「 灰色と青( +菅田将暉 )」

 「灰色と青」の他にも11位〜20位には「春雷」「爱丽丝」「砂の惑星」といった『BOOTLEG』収録のアルバム曲がランクインしている。この現象からニューアルバム『STRAY SHEEP』だけが牽引する一過性の推進力ではなく、過去作も含めた「米津玄師作品」による非常に強い推進力を感じずにはいられない。一方で今後これほどまでにそびえ立った米津玄師の牙城を崩すのは、どのようなアーティストのどのような楽曲になるのだろうか。音楽チャートは移ろう時代の鏡である以上、盛者必衰の世界だ。米津玄師の大躍進を見守りながらも、新たな楽曲との出会いに期待がふくらむ。

■Z11
1990年生まれ、東京/清澄白河在住の音楽ライター。
一般企業に勤務しながら執筆活動中。音楽だけにとどまらず映画、書籍、アートなどカルチャー全般についてTwitterで発信。ブリの照り焼きを作らせたら右に出る者はいない。
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