佐藤結衣の「K-POPメンバー図鑑」Vol.22

WINNER ジヌ、フニ、ミノ、ユン……“2ボーカル2ラッパー”スタイル確立した各メンバーの強みと実力

愛嬌とセクシーのギャップがたまらない実力派ラッパー、ミノ

 もともと韓国のアンダーグラウンドHIP HOPシーンで、ラッパーとして活動していたミノ。強気な眼差し&余裕を感じさせるセクシーな仕草で観客を魅了する。得意のビートボックスを活かしたパフォーマンスは「アイドル」という概念を超えた実力ラッパーだ。

 そんなアンダーカルチャーをベースに持つミノは、ファッションも攻めのスタイル。ファッショニスタとして、空港での私服ファッションに注目が集まる。一見すると近寄りがたいカリスマ性を持つ彼だが、バラエティ番組やSNSでは愛嬌たっぷりな一面を披露するのが、ニクいところ。

 2018年に念願の日本武道館でライブを開催した際には「初めて覚えた日本語は“一生一緒だよ“でした。覚えた通り僕は責任を取らないといけないですね」と語ったことも。クールそうに見えて、ピュアで涙もろく、しっかりと愛情表現をしてくれるところが、またズルい。(参照:HOMINIS

 ズンと響く重低音の声は、その存在感が光りながらも、しっかりとメンバーの歌声と調和しているのも、彼の思いやり、優しさ、気配りのできる証。器の大きさと確かな技量があるからこそ、仲間を活かすパフォーマンスができるということを、ミノの動きから知ることができる。

作詞・作曲をこなす完璧な末っ子リーダー・ユン

 WINNERが、多くのアイドルグループと異なるのは、リーダーが年下メンバーであるということ。4人となった新体制以降、マンネ(末っ子)となったユンは、フニと共にメインで作詞・作曲を手がける。K-POPど真ん中と感じられる王道サウンドから、しっとりとしたバラード、ダークなヒップホップ系と、いくつもの楽曲を生み出せるユン。そんなクリエイティビティ溢れる最年少がリーダーという実力主義。それこそが、WINNERの音楽性の高さを示しているように思える。

 また、日本語が最も堪能であり、ファンがWINNERの魅力を知る「入口」にもなっているユン。『Remember』には、彼の口癖である「Eat well,sleep well,rest well」を歌にした「WELL」がある。馴染みのあるフレーズを組み込むことで、いつもそばに感じられるように。ファンが寂しがらないように。そんな彼の粋なはからいが感じられる。自らが楽曲を作れる強みは、ファンへの愛がダイレクトに形になるということ。だから、WINNERとファンの絆は強い。

WINNER - 'Well' LYRIC VIDEO | 3rd FULL ALBUM [Remember] RECAP

 ライブではユンがアコースティックギターを披露する「COLOR RING」(アルバム『2014S/S』収録曲)が、『Remember』では4人バージョンとして再レコーディングされている。穏やかで真面目なこの曲は、まるでWINNERの、そしてユン自身の根底にある温和な人柄がにじみ出ているようだ。もう少し先になりそうな4人揃ってのカムバック。そのとき、ユンがどんな楽曲でファンを包んでくれるのか。そんな日を夢見ながら、WINNERからの愛が詰まった置き手紙ともいえる『Remember』を繰り返し聴いていよう。

WINNER - '컬러링(COLOR RING)' M/V

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