Mr.Children、BTS、The 1975……『サマソニ』の歴史彩る伝説のステージ オンラインフェス開催を機に辿る軌跡

『サマソニ』オンラインフェスを機に辿る軌跡

 さる6月19日〜21日、27日〜28日の5日間、『SUMMER SONIC 2020 ARCHIVE FESTIVAL』と題したオンラインフェスが開催された。

 ニュースサイト『ダイヤモンド・オンライン』に掲載された、主催者であるクリエイティブマンプロダクション代表・清水直樹氏のインタビュー(参照)によれば、本フェスを構想したのは今年3月末。新型コロナウイルスの影響で世界中の音楽フェスやライブが中止となるなか、音楽ファンが音楽を楽しむための企画として、昨年開催された『SUMMER SONIC 2019』のライブ映像の一部をサマーソニック公式チャンネルにて配信したところ、予想以上の反響があったという。さらに、中止や延期となったライブのチケットを「応援の意味を込めて」払い戻ししないファンや、「3Aメンバーズ(クリエイティブマンの有料会員)」を引き続き更新するファンが大勢いた。そうした気持ちに応えるため思いついたのが、過去のサマーソニックの映像を集めた今回のオンラインフェスだったのだ。

 そんな主催者の意向をアーティスト側に打診したところ、Mr.Children、BTS、Linkin Park、Metallica、Arctic Monkeys、The 1975、Underworld、そしてRadioheadといずれもヘッドライナー級のビッグネームが快く賛同。これほどのラインナップであれば、過去のライブ映像であっても「音楽フェス」と呼べるはず。そこで、本来はオリンピックのため開催する予定ではなかったサマソニを、オンライン上で復活させたという意味も込めて、『SUMMER SONIC 2020 ARCHIVE FESTIVAL』と名付けたのである。

 配信されたのは、いずれも『SUMMER SONIC』の歴史を彩ってきた「伝説のステージ」ばかり。例えば『SUMMER SONIC2013』に出演したMr.Childrenは、ライブの中盤で突然音が出なくなるという機材トラブルに見舞われた。しかし千葉マリンスタジアム(当時)の会場からはすぐさま大合唱が沸き起こり、しばらくはオーディエンスの歌声によって曲が続いた感動的な一幕があったのだ。

 Mr.Childrenの出演は、プロデューサーの小林武史から清水のもとに直接打診があったという(『【SUMMER SONIC 2020 ARCHIVE FESTIVAL】Mr.Children 〜live set from 2013〜』より)。Bank Band(小林と桜井和寿が所属するバンド)がホストバンドを務め、2005年から毎年開催していた『ap bank fes』がちょうどこの出演年の2013年から休催に入り、バンドの夏のスケジュールが空いていたのだ。すでにMuse、Metallica、Linkin Parkといった、大物洋楽アーティスト3組のブッキングが決まっていたが、急遽Museとのダブルヘッダーという形で実現したのが、この日のステージだったのである。ちなみに今回の配信はダイジェスト映像だったが、くだんの「機材トラブル」はカットされていなかった。オーディエンスと一体になったあの瞬間は、ミスチルや小林にとっても「メモリアルな記憶」として残っているのだろう。

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