小林武史、来夏以降の音楽フェス開催に意欲 「恩返しできることがあったらなんでもやりたい」
ゲストとして登場した小林は、ウィズコロナと呼ばれる現状に、「今、また経済の蛇口を開けだして、だいぶいっときよりはよくなったと思うけど、一方で蛇口を開けながら同時に閉めるテクニックをみんなそれぞれがやらなきゃいけないでしょ。開けて、閉めるエネルギーにストレスが細かくかかっているんじゃないかと思うんですよ」と外出自粛が解除されたが、まだ感染のリスクと隣り合わせである現実を話す。中西氏も「大切にすべきことが増えてきたので、どういう塩梅でやっていくべきか、逆に難しいし、判断しかねる」と再開が難しいライブエンターテインメントの状況を述べた。
「高密度な音、爆音がいつかは戻って欲しい」という小林は、ap bankの活動を通じて、千葉県木更津市に広大な農場があると紹介。「そこで音楽が簡単にスイッチを入れてやれることを考えていて。ライブハウスは3密と仲がいいところがある。自然のなかで簡単にそういうスイッチがあるとしたら、音も爆音ではないけれど、いろんな音の響き合いが見えてくるんじゃないかな。この15年でクラブミュージックに代表されるような高密度な音が成長してきたけど、もう少しゆるい音の連なり、生の楽器の響きも聞こえやすい。アコースティックな音楽のあり方ができないかなと思ってました」と外で聞く音楽の楽しみ方を提唱。これに堀氏も、『FUJI ROCK FESTIVAL』から始まり、徐々に規模が拡大していった音楽フェスに、「もうちょっと小規模なもののプレゼンテーションの仕方もあるかもしれない」とコメント。中西氏は「密じゃない場面というのに気付き始めたなかで、新しい音楽の表現の仕方が発見されていくんだと思うんですけど、上手に乗り替わっていかないとさっきの経済的な部分で解雇されたということが起こっていく。とは言っても、急激には変化はできない。培ってきたノウハウ、経験値、表現の仕方は大事にしていかなければならない」とスタンスを明らかにした。
またフェスを開催してほしいという視聴者からのメールを受けて、小林は「必ず、やりますよね。『ap bank fes』もやりたいと思ってるし、来年の夏以降はやっていけるという風に思ってる人はたくさんいるから。そこに向けてじっとしているんじゃなくて、どういうことを道筋を仕掛けていけるかっていうのは、音楽業界を引っ張っていく人たちがやれることじゃないかな。僕もこの業界に育てられてきたと思っているし、ミュージシャンだし、音楽が大好きだから、この業界が潰れないように恩返しできることがあったらなんでもやりたい」と熱弁。賛同した野村氏の「夏に向けて企画できたらいいですよね」という声に、小林は「(『ap bank fes』の)枠を超えた、カテゴリを外した音楽として。大きな会場でも密にならない工夫を。そこに対しての(参加者への)誘い方の考え方を。先駆けができたらいいと思う」と来夏に向けたビジョンを表明した。