小林武史、来夏以降の音楽フェス開催に意欲 「恩返しできることがあったらなんでもやりたい」
6月16日にラジオ特別番組『いま、音楽にできること』(ニッポン放送)が、放送された。
これは4月に放送された特番の第2弾で、一般社団法人日本音楽事業者協会会長・堀義貴氏、一般社団法人日本音楽制作社連盟理事長・野村達矢氏、一般社会法人コンサートプロモーターズ協会会長・中西健夫氏、ゲストとして音楽プロデューサー・小林武史、SHOWROOM株式会社代表取締役社長の前田裕二氏が登場した。
ぴあ総研のデータでは、新型コロナウイルスの影響でのイベントの中止、延期は今年の2月から来年1月までの1年間で43万2000件、損失は年間市場規模の77%に当たる6900億円、音楽シーンでは3300億円と言われている。
番組にはライブイベントを裏方で支える知り合いのスタッフが解雇されたというメールが届いた。これに堀氏は「言葉をかけるとしたら手堅い業界は今、どこにもない。ミュージシャンとか役者なんかもUber Eatsのバイトをやってるって人もいっぱいいる。せっかくイベントの業界に行ったんだから、いつかは収まると思うんですね。だから、その間いろんなことを試してみてもう一回戻っておいでよ、というのが僕は正しい選択なんじゃないかなと思います」と声をかけた。
今月19日以降、営業再開が可能となるライブハウスについて、政府は「出演者と客の間に2メートルのソーシャルディスタンスを確保する」などとするガイドラインを公表している。「成り立たないんですよ。200人のキャパで30人しか入れられない。そういうガイドラインはない方がいいと思うんですよね。やれないガイドラインを作られてもそれに縛られて苦しむのが僕らなんで」と語る中西氏。続けて、「成り立たないなら、そのネクストを考えないと。今のガイドラインをそのまま採用すると現実的にできない」とガイドラインに対する考え方を明かした。
先日、日本のライブエンタテインメント産業を支援する基金「Music Cross Aid」を創設。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、活動継続が困難を極めているライブエンタテインメント事業者やスタッフを支援するための基金だ。野村氏は基金の立ち上げに関し、「ライブエンターテインメントで仕事をしている人たちっていうのは、ライブに行った時に、アーティスト目当てでチケットを買ってくれるお客さんがいるのと一緒なんです。ステージに立ってる人たちだけでなく、ライブに携わっているスタッフみんなが表現者で、集まって一つのステージを作っている。国からの十分な補償を得られているわけではない。我々業界が経済的な支援をできる受け皿を作っていくべきだろうと、基金を立ち上げました」と説明。さらに、「音楽エンターテインメントに普段接して自分の生活を潤していただいている人たちが、次の未来のエンターテインメントを支えるためにこういった基金に協力していただければと思います」と基金を呼びかけた。