BTSら所属のBig HitとSEVENTEENら所属のPLEDIS、合流のメリットは? 兵役や海外展開などポイントに

 BTSやTOMORROW X TOGETHERが所属する事務所・Big Hit Entertainmentが、SEVENTEENら所属のPLEDISエンターテインメントの筆頭株主となった。2社は合流後もそれぞれ独立的に運営していくという。シーンの中でも大きな存在感を示す2社の合流の意図と、今後の動きについてK-POPアーティストに詳しいDJ泡沫氏に話を聞いた。

 泡沫氏は資金的な面もあるが、兵役が一つのポイントだと語る。

「以前から噂はありましたが、WeverseというBig Hitの所属アーティストのSNSアプリにSEVENTEENが加わったので、『これは本当にそうなんじゃないか』と言われていました。Big Hitでは、現状活動しているアーティストがBTSとTOMORROW X TOGETHERのみ。BTSのメンバーは来年から兵役に行く可能性が高いですし、7人が交代で入るとしても、全員が戻ってくるまでに時間がかかります。ソロ活動はするとしても、グループとしての活動は先になるかと思います。同じくらい人気で国際的に活躍しているグループが複数所属しているわけではない小規模〜中堅事務所は、特に男子の場合は兵役の問題があり、1つのグループが人気が出ても、同時にいくつか稼働できる状態でなければ難しい。それをどう乗り越えるかというのがポイントになってきます。今回のように、ある程度育っているグループがいる事務所と合流するのはそれを解決する一つだと思います。

 SMやYG、JYPといった大手事務所を見ると、兵役などで大きいグループが活動できなくても、いくつか稼働させることでその間に若手も育っていきますし、そのグループが帰ってきても受け入れられやすい。SMは東方神起やSUPER JUNIORがグループとして活動していなかった間も事務所のブランド力をキープしていましたよね」

 Big Hitは海外展開にも注力している事務所。合流したPLEDIS所属アーティストも本格的に世界進出していく可能性もありそうだ。

「Big Hitは先日、アメリカにBig Hit Americaを設立しました。TOMORROW X TOGETHERの本格進出も見据えているのかもしれません。ただ、新型コロナウイルスに関して、たとえ日本や韓国、中国などアジア圏で落ち着いたとしても欧米圏がどうなるかわからない。アーティストが海外へ行くことも難しいし、ファンにこちらに来てもらうのも難しい状況です。もちろん、チャンスがあったら海外のフェスに出たいというのはあると思います。とはいえ、当面はオンラインとアジアがメインになるかもしれませんね。日本ではすでに人気ですが、中国が規制緩和する可能性があるので、中国でライブを開催するというのもありえそうです。最近は中国のアイドル事情が変わってきており、K-POPに影響を受けたアイドルも増えてきました」

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