Poppin’Party、Roselia、RAISE A SUILEN、Morfonica......『バンドリ!』リアルバンド4組の魅力的な音楽性

RAISE A SUILEN

 『バンドリ!』に登場するバンドのうち、実際に楽器を演奏しないバンドのライブのためのバックバンドとして結成された……という経緯もあって、バンドとしての活動経験豊富なメンバーが数多く在籍するのがRAISE A SUILEN(通称:RAS)。

 ミクスチャーロックを軸に楽曲を発表し続ける彼女たちの魅力は、なんといっても圧倒的なライブパフォーマンスだ。高い演奏技術を発揮するのはもちろん、小原莉子(Gt、朝日六花役)がお立ち台の上で仰向けになりながらギターソロを披露したりと、視覚などの面からもオーディエンスを魅了し惹き込んでいく。そしてRaychell(Ba/Vo、レイヤ役)がセンターにどっしりと構え迫力ある歌声を響かせることで、それらを全て束ねているのだ。だからこそ、そこからはみ出ようとする紡木吏佐(DJ、チュチュ役)の高飛車な煽りやラップも、よりアクセントとして効いてきて……リアルバンド全てに当てはまることだが、なかでもとりわけ生ならではの魅力にあふれたバンドがRAS。コロナ禍の収束の折には、ぜひ機会を作って彼女たちのライブを体感してほしい。

【公式ライブ映像】RAISE A SUILEN「UNSTOPPABLE」/TOKYO MX presents「BanG Dream! 7th☆LIVE」

Morfonica

 最大の特徴はメンバーとしてバイオリン担当が所属しシンフォニックロックを志向していることであり、デビュー曲「Daylight -デイライト-」にも早速バイオリンのリフがふんだんに盛り込まれている。この曲を作曲したのは『バンドリ!』のサウンドプロデュースを手掛けるElements Gardenの代表・上松範康。しかもその旋律には、アニソンファンにはおなじみの“上松節”が全開である。これを可能にしたのは、Ayasa(Vn、八潮瑠唯役)の存在。かねてからロックバイオリニストとして活動していた彼女の存在が、上松に躊躇なく本気を出させたのではないだろうか。

【MV】Morfonica「Daylight -デイライト- 」【公式】

 また、メインボーカルを務める進藤あまね(倉田ましろ役)の歌声が、他バンドと比べてどこかあどけないものである点も、特徴であり魅力のひとつ。才能ある周囲に対して引け目を感じているましろというキャラクターには絶妙にハマるものであり、その響きはバイオリンの音色があることで生まれる“麗しさ”ともマッチするものだ。

 もちろん、その他のバンドもリアルバンド4組と一味違う特色あるものばかり。アニメ、ゲーム、そしてリアルバンドと様々な入口のある『バンドリ!』というプロジェクトにぜひ触れてほしい。このプロジェクトならではのキラキラを感じたら、きっとそこから、ワクワクで目が離せなくなることだろう。

■須永兼次(すなが・けんじ)
アニメソング・声優アーティスト関係を中心に活動するフリーライター。大学の卒論でアニソンの歌詞をテーマにするほど、昔からのアニソン好き。現在は『リスアニ!』『月刊ニュータイプ』や『TV Bros.』等に寄稿。

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