作詞家 zoppが語る、『野ブタ。』主題歌「青春アミーゴ」制作時の思い出 修二と彰を連想させる“続編曲”についても

zoppが語る「青春アミーゴ」制作時の思い出

 修二と彰「青春アミーゴ」や、山下智久「抱いてセニョリータ」など、数々のヒット曲を手掛ける作詞家・zopp。彼は作詞家や小説家として活躍しながら、自ら『作詞クラブ』を主宰し、未来のヒットメイカーを育成している。これまでの本連載では、比喩表現、英詞と日本詞、歌詞の物語性、ワードアドバイザーとしての役割などについて、同氏の作品や著名アーティストの代表曲をピックアップし、存分に語ってもらってきた。

 そして現在「青春アミーゴ」が主題歌となったドラマ『野ブタ。をプロデュース』特別編(日本テレビ系)が放送中だ。そこで第25回目となる今回は、特別編として『野ブタ。をプロデュース』にまつわるインタビューを行い、「青春アミーゴ」制作時の思い出やソロ曲も手がけてきた山下智久とのエピソードなども語ってもらった。(編集部)

作詞家 zoppが語る、『野ブタ。』主題歌「青春アミーゴ」で意識したこと

2パターンの歌詞を並行して進めていた

ーー『野ブタ。をプロデュース』特別編が非常に大きな反響を呼んでいますが、主題歌を作詞されたzoppさんからみてどのように感じますか?

zopp:ここまで反響があることには驚きました。『野ブタ。をプロデュース』は、いつの時代でも受け入れられる普遍的な物語なんでしょうね。あとは、主要キャラクターを演じている役者さんたちの10〜20代の姿を見れるという懐かしさもあるのかもしれません。

ーー亀梨さん、山下さんの役どころに関してはどう感じましたか?

zopp:修二(桐谷修二/亀梨)と彰(草野彰/山下)は白黒はっきりしたコンビですよね。冷静な修二と無茶なことをする彰、キャラクター性がはっきりしていて面白いなと思いました。特に山下さんは当時模索しながら役作りに挑んでいたようでしたが、そんなことを感じさせない芝居を見せていてさすがだなと感じます。

ーー改めて「青春アミーゴ」制作当時のことも伺っていきたいと思います。作詞するにあたって印象的だった出来事はありますか?

zopp:あまりの忙しさに当時のことを覚えてないんです(笑)。主題歌を制作するとなると、音楽、ドラマ、プロダクションの3つの意見を取り入れなければならなくて、こちらがOKでもあちらがNG、ということもよくありました。フィックスするまで10回以上は修正しましたね。

ーーどのような修正依頼が来たんですか?

zopp:ドラマを意識しなくていいとのことだったので、最初はバイオレンスな内容にしていました。怪我をしたり、死んでしまうのではないかと思わせるようなダークな歌詞にしてたんです。ただ、ドラマ自体は学園物語なので、生活感や現実味のある内容にするように依頼をいただきました。マフィアの抗争のような内容から、ヤンキーの喧嘩にまで落ち着いた感じですね。

ーー「青春アミーゴ」の歌詞はどこか懐かしさを感じますよね。

zopp:実は2パターンの歌詞を並行して進めていたんです。一つはコンセプチュアルな歌詞で、もう一つは自由に作詞していいとのことだったので、先ほど言ったようなダークな歌詞を作りました。デモ段階では、オペラのような曲調だったので、それに合うように〈アミーゴ〉とか〈Si〉といった曲調に合う言葉選びを心がけましたね。その結果、後者で進めることになりました。

ーー亀梨さんと山下さんの歌声やキャラクター性はどこまで意識されましたか?

zopp:亀梨さんと山下さんが幼馴染で田舎のヤンキーだったらどうなっていたんだろうなとは考えていました。山下さんが当時所属されていたNEWSは「白」、亀梨さんが所属しているKAT-TUNは「黒」のイメージだったので色を意識していましたね。歌のディレクションはしていないのですが、先に亀梨さん、次が山下さんが歌うイメージで作詞をしていたので、そのメッセージは伝わっていたんだなと思いました。

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