YOSHIKI、積極的なチャリティー活動の根底にある信念 歩んできた過去から繋がる現在

 4月24日にTBS系で放送された、『金スマ波瀾万丈特別放送 YOSHIKI 衝撃の半生で知った、生きる意味』では、幼い頃に経験した父親の自殺、HIDEとTAIJIの死、X JAPANの崩壊など、YOSHIKIの壮絶な半生が明らかにされた。その番組を観て気づいたのは、YOSHIKIの歩んできた過去が、明らかに彼の現在の活動に繋がっているということだ。

YOSHIKI feat. HYDE『Red Swan』

 まず感じたのは、YOSHIKIは“今ここで自分に何ができるのか?”を考え続けている人だということ。たとえば、父親の自殺を経験した幼いYOSHIKIは、母親と弟を守るために自身の悲しみを封印し、家族の前では明るく振舞ったという。X JAPANのギタリストであるHIDEの死のあとも、ファンの後追い自殺を止めるために、憔悴した状態のまま記者会見を開き、冷静な行動をとるようにと発言した。YOSHIKIは、幼少期から常に家族や社会における自分の役割を考え、自身の感情よりも周りの人を大切にしてきた人間だということがわかる。また、身近な人の死を3度も経験したYOSHIKIは、残される側の辛さや、“人は死んでしまう”という当たり前だけれど実感として受け入れることが難しい事実を、身をもって経験していた。痛みを知る彼だからこそ、人を救いたいという意識も、人一倍強いのかもしれない。

 そんなYOSHIKIの過去は、現在の積極的なチャリティー活動に繋がっている。ロサンゼルスにいる彼が、多くのハリウッドスターら同様、寄付を中心としたチャリティー活動に熱心であることは改めて書くまでもないが、今回の新型コロナウイルスに関することでいえば、医療業界への寄付金1,000万円、音楽業界への寄付金1,000万円、アメリカ・LAへの食糧支援金2万4,000ドルがあげられる。その他にも、東日本大震災や熊本地震、オーストラリアでの森林火災、アメリカ・テキサス州でのハリケーン被害など、国内外問わず様々な有事の際に寄付を行なっており、自身の非営利団体『Yoshiki Foundation America』も運営するほど本格的かつ継続的に活動している。

 寄付を公表することについても、「公表した方がチャリティー先に対しての認識度が高まるから、一部の人から批判をいただくこともあるが公表するべき。仮に僕が1000万円を寄付したとしたら、公表後はその何倍もの金額が集まる。チャリティーというものが普通に生活に馴染んだらいいなと思う」(引用:BARKS)と自身の考えを表明している。実際、YOSHIKIの行動をきっかけに寄付の輪は広まりつつあり、4月25日には歌手の浜崎あゆみが「YOSHIKIさんに賛同し、私も国立国際医療研究センターへ1000万円寄付させていただきます」(引用:テレ朝news)とInstagramで発表した。寄付を公表することへの賛否両論はあるにせよ、彼が社会に良い循環を巻き起こしていることは事実である。危機的状況で自分のすべきことを判断し、人を救うための行動をとる。これまでYOSHIKIが繰り返してきた行動の根底には、過去から続く「自分のやるべきことをやる」という信念があるのではないだろうか。

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