SNSで広がる「#うたつなぎ」、十三月による動画「#WASH 」……外出自粛期間に生まれたアーティストの自発的アクション

 新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るっている。外出を自粛せざるを得ない状況が続くなか、これまでと同じような生活を送ることのできている人はまずいないだろう。

 音楽業界もその影響を受けていて、現在はほとんどのライブが中止・延期になっている状況。そんななか「家から出られない」という状況を逆手に取り、アーティストたちは新たな表現に乗り出している。ライブハウスでの活動ができない分、SNSやウェブでできることを模索しているのだ。星野源「うちで踊ろう」のように、オンライン上でセッションを行う動きがそれにあたるだろう。また、コロナ以前よりも、無観客でのライブ配信が増えているし、Instagramのストーリー機能などを使用したトーク配信も増えた印象だ。

 例えば「#うたつなぎ」は、LOCAL CONNECT・ISATO (Vo)のツイートから始まった動きだ。ボーカリストがアカペラもしくは弾き語りの歌唱動画を投稿し、他のボーカリストを指名。指名された人がまた歌唱を投稿し、さらに他の人を指名……とリレー形式で続いており、今日に至るまで多数のボーカリストが参加している。その顔ぶれは、崎山蒼志、高野寛、オーイシマサヨシなど多岐にわたる。

 それぞれが家の中にいて、つながりを感じづらい状況だからこそ、歌のリレーと彼らの歌に込められたメッセージは、多くのリスナーの支えになっている。また、ISATOからの指名を受けた(つまり、この企画に参加した2番目の人物である)HEADLAMP・平井 一雅(Vo/Gt)のツイートも興味深い(参照)。この企画をきっかけに、これまで繋がりのなかったミュージシャン同士が繋がり、今の状況が落ち着いた頃に、対バンをすることだってありえるかもしれない。そんな未来が想像できるのも嬉しいところだ。

 ちなみに、「#うたつなぎ」が始まった3日後には、I-RabBits・猪野進一(Ba/Cho)がハッシュタグ「#ピアノつなぎ」、そして「歌に、ボーカリストに負けてられない!」というコメントとともにピアノの演奏動画を投稿。ピアニストによるリレー企画「#ピアノつなぎ」も始まった。このように、「#うたつなぎ」における数々の歌は、ボーカリスト以外のミュージシャンの創作欲をも刺激し、連鎖を生み出しているようだ。

関連記事