Mr.Childrenから届いた“讃えあおう”というメッセージ 「Birthday」など最新3曲を聴いて
最新曲「The song of praise」は3月30日より『ZIP!』のテーマソングとして起用され、番組内で一部しか公開されていない。桜井は本曲について「やり場のない悲しみを、先の見えない不安を、思うように動かない現実を、誰かのせいにするのでなく、批判するのでなく、自分を、誰かを、何かを、讃えようとする歌です」と語っている(参照:Mr.Children、新曲「The song of praise」が『ZIP!』2代目テーマ曲に)。先に述べたように、本曲の根幹を成すであろう「讃える」という言葉は「Birthday」にも登場する。また過去に遡れば、「GIFT」にも〈降り注ぐ日差しがあって だからこそ日陰もあって そのすべてが意味を持って 互いを讃えているのなら もうどんな場所にいても 光を感じれるよ〉という歌詞もある。陽と陰という対比がここでは用いられているが、「The song of praise」も対比の言葉が多く登場する。〈積み上げて また叩き壊して〉〈憎みながら愛していく ここにある景色を讃えて〉〈夕日が顔を出し 憐むように 讃えるように 僕の顔を照らした〉と公開された部分だけでもこれだけある。つまり矛盾を感じるような出来事もあるけれど、讃えあって生きていこうというメッセージなのではないだろうか。桜井は「「あなたがそうであるなら私も」と希望や勇気で心を強くする。そんなイメージで出来上がった曲です」とも語っている。まさに今のような状況下で闘う人を讃え、それを見た人も讃えられるような生き方をしようとする、そんな連鎖をMr.Childrenは願っているのではないだろうか。
「Birthday」と「The song of praise」の2曲はコーラス部分が長いことも印象的だった。桜井は昨年のツアー『Mr.Children Dome Tour 2019 Against All GRAVITY』で「5万人の心を一つに出来る曲を作って、また5万人を相手にライブをしたい」と話していた。この曲をいつかみんなで合唱できる日を、待ち望んでやまない。
■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter