ましのみの楽曲が現代の若者の心に響く理由 『死にたい夜にかぎって』OP主題歌を機に考察
ミニアルバム『つらなってODORIVA』の他曲でも、一癖も二癖もある言葉選びのセンスでままならない人生を痛快に歌う。「NOW LOADING」は、ましのみ自身も好きだというパソコン音楽クラブが編曲。ましのみらしさのあるエレクトロ調でありながら、ゆったりとなめらかに進む一曲だ。〈君の気配がしつこくてさ〉と昔の恋を忘れられない主人公が自暴自棄になっている様が、〈踊ればいいんだろう〉〈浮つくリズム〉〈胡蝶の夢〉などのワードで浮遊感を持って描かれている。「エスパーとスケルトン」はましのみが「全人類の中にあるクヨクヨした乙女心に向けて書いた曲」と語っているとおり、細かいことや駆け引きなんて考えずに恋をしよう、という気にさせてくれる。単に「恋せよ乙女」ではなく〈迂闊に恋せよ乙女〉と歌っているところが実に清々しい。「薄っぺらじゃないキスをして」はサビの壮大さにハッとさせられる一曲。また最後の「のみ込む」も含め、生音感を大切にした音録りで、声とピアノが前面に出ているのも印象的だ。全5曲の中に、ましのみの「今」を感じることができる作品である。
“ODORIVA”の意味についてましのみは、「日々のいろんな状況に寄り添える、休憩ができる、逃げ場」(参照:ポニーキャニオン公式ニュース)と語っており、まさに恋愛を軸に、恋の始まりから終わりまで、様々な感情が描かれている。「なかなか前に進めないときでも、前に進んでいくための一段に後から振り返ったらなっているというか。“ODORIVA”が連なることで前に進んでいけるというイメージ」と本人はさらりと語っているが、逃げ場が次に進むための一歩、という捉え方は簡単にできるものではない。“弱さ”を受け止めたり、“休むこと”や“逃げること”を肯定できるマインドこそがましのみの優れた点であり、本質であり、現代の若者の心を掴む所以なのだと思う。この先も踊り場を挟みながら、彼女自身も一段一段進みゆく姿を応援していきたい。
■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter
■リリース情報
1st Mini Album『つらなってODORIVA』
3月18日(水)発売
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初回限定盤【CD+DVD】¥2,727+税
通常盤【CD ONLY】¥1,818+税
<収録曲(初回限定盤・通常盤共通)>
1.7(読み:ナナ)
MBS/TBS系ドラマ「死にたい夜にかぎって」オープニング主題歌
2.NOW LOADING
3.エスパーとスケルトン
4.薄っぺらじゃないキスをして
5.のみ込む
<初回盤特典DVD収録内容>
01.「7」 Music Clip
02. 「エスパーとスケルトン」
03. Digest of
「ぺっとぼとリテラシー vol.3~レセプションパーティーin TOKYOでひとつになりまショータイム~@渋谷ストリームホール」
04. mashinoMeeting
05. Making of 「エスパーとスケルトン」 Music Clip
■ライブ情報
『ましのみワンマンライブ「ODORIVA」』
5月13日(水)大阪 アメリカ村BEYOND
5月20日(水)東京 shibuya WWW X
両日公演ともにopen18:45/start19:30
チケット代¥4,000(税抜)
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