aiko「カブトムシ」、King Gnu 井口とのデュエット効果でバイラルチャート急上昇 ラジオが生んだ度重なる熱狂

 そうして機を逸したかと思われた同楽曲だが、さらなる盛り上がりのタイミングが訪れる。それは、3月5日に放送されたラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)だ。岡村は先日の『ANN0』で井口とaikoが“いい感じ”だったことに嫉妬し、aikoをゲストに招くと、様々なコーナーのあとに「『カブトムシ』歌いたいねん」と告白し、またしてもデュエットへ。しかしそこに井口が乱入し、またしても「カブトムシ」を歌唱。この模様もSNSを中心に反響を呼んだ。

 そして、今回のチャート入りの直接的な要因となったのは、3月23日に放送された『菅田将暉のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でのこと。3月12日には『King Gnu井口理のオールナイトニッポン0(ZERO)』でポルノグラフィティの岡野昭仁と「アゲハ蝶」を熱唱した井口が、この日はかねてから親交のある菅田の番組で、BUMP OF CHICKENの「天体観測」を熱唱。この歌唱が話題になるのと合わせ、aikoとの「カブトムシ」歌唱が再び話題となり、このタイミングではストリーミングサービスに配信されていた「カブトムシ」の再生数が急増し、見事ランクイン、というわけだ。

 ラジオやテレビ番組で、特殊なコラボや歌唱形態が話題になることは少なくないが、その際にダウンロード販売が伸びるのではなく、それと合わせてストリーミングサービスが盛り上がり、バイラルチャートに食い込んでくるというのは、今の時代ならではの現象といえるだろう。

 違法アップロードされた音源や映像ではなく、このようにオフィシャルな配信サービスの音源で、電波での盛り上がりをしっかりアーティストに還元できる流れを利用し、新譜旧譜問わず、より作り手や曲の素晴らしさが伝わりやすい環境になれば幸いだ。

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