Official髭男dismの音楽はリスナーの人生とともに歩んでいく 『Hall Travelers』ツアーパシフィコ横浜公演を観て
別れを惜しみ、再会を約束するような「ラストソング」で本編が終了(やはり曲終わりに合わせて緞帳がゆっくり下がる)し、アンコールではまず新曲「I LOVE...」がお披露目された。そこから「異端なスター」で会場を文字通り揺らし、「みんなと一緒に歳を取っていけるバンドになりたいと思っています。最後にその決意表明の曲を」(藤原)と「宿命」へ。今度は会場が完全に一体となったシンガロングで、歓喜と感動のフィナーレを迎えた。この日ここで2時間を共有した5000人は、これからの人生をOfficial髭男dismの音楽とともに歩んでいくに違いない。幸福感に包まれ、笑顔、笑顔で名残惜しそうに帰り支度をするオーディエンスの姿を見て、そう思わずにはいられなかった。
メジャーデビューから2年。これからいったいどんなバンドに成長、進化していくのだろう。おそらくはMaroon 5やブルーノ・マーズ、The 1975といった、同時代のハイブリッドアクトの音楽性を、ごく自然に吸収しているであろう彼らだけに、きっと2020年代ならではの新感覚のバンド像を確立するはずだ。
(メイン写真=橋本歩)
■鈴木宏和
雑誌編集者を経てフリーランスのライターに。雑誌や新聞、フリーペーパー、ウェブなどで執筆。JAL機内放送番組の企画/選曲も手がけている。
■セットリスト
『Official髭男dism Tour 19/20 - Hall Travelers -』
2月11日(火・祝)パシフィコ横浜
1.イエスタデイ
2.Amazing
3.Tell Me Baby
4.115万キロのフィルム
5.バッドフォーミー
6.Rowan
7.ビンテージ
8.最後の恋煩い
9.犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!
10.旅は道連れ
11.ブラザーズ
12.FIRE GROUND
13.ノーダウト
14.Stand By You
15.Pretender
16.ラストソング
En1.I LOVE...
En2.異端なスター
En3.宿命